ウェブとブログの検索

カスタム検索





2011年03月22日

[発達検査(developmental test)]

発達検査(developmental test)

発達検査(developmental test)は、被検者の心身の発達の程度(レベル)を測定するための心理検査であり、身体的発達(生理的発達)・知的発達・社会性の発達の問題や遅れについて“早期発見・早期対応(援助及び治療)”を行えるようにするものである。臨床心理学の心理アセスメントで用いられる心理検査は、『知能検査(IQの測定・知的障害のスクリーニング)』『人格検査(個人の性格特性や価値志向を判断するパーソナリティテスト)』に分類されるが、この『発達検査』も心理検査の一つである。

過去の発達心理学は誕生(出生)から『精神的・経済的な自立』を成し遂げて自己アイデンティティを確立する青年期までを対象にしていたが、現在の発達心理学では誕生(出生)から死亡までの『生涯発達』を前提にしている。

そのため、本来であれば発達検査も、乳幼児から青年・中年・高齢者まで幅広い年代を対象にすべきであるが、現在の発達検査の主要な対象と目的は、『乳幼児・各種の発達障害や知的障害の早期発見』になっている。それは、人間の心身発達がスムーズに進んで既存の社会生活や学校生活、職業活動に適応できるか否かの基盤が『乳児期・幼児期・児童期の学習行動と個人的経験』にあるからであり、精神発達・知的活動・社会適応の問題(障害)を早期に発見することで、有効な発達支援や特殊教育支援を行いやすくなるからである。

発達検査の代表的な方法は、『実際に子育てをしている母親(養育者)への心理学的・医学的なインタビュー』『子どもの行動・発話・関わり合いの行動観察』である。また、発達検査の中にはビネー式知能検査やウェクスラー式知能検査(WISC-V)も含まれることがあり、精神発達・社会適応・コミュニケーション能力と知能発達とを完全に切り離して考えることはできない。

発達検査にはさまざまな種類のものがあり、代表的なものとしては、遠城寺式乳幼児分析的発達検査法、MCCベビーテスト、ポーテージ式乳幼児発達検査、新版K式発達検査、フロスティッグ視知覚発達検査、ITPA(言語学習能力診断検査)、K-ABCテスト(心理的教育的テストバッテリー)などがある。遠城寺式乳幼児分析的発達検査法では、『移動運動・手の運動・基本的生活習慣・発語・言語理解・対人関係』という6つの領域で乳幼児の発達年齢の月齢を出して、標準的な月齢と比較することで、乳幼児の発達の程度を推測することができる。

しかし、言語能力が未熟で身体的・生理的にも安定していない乳児・幼児を対象にした発達検査では、発達検査の推測的な結果をそのまま鵜呑みにして信じすぎることは問題・危険であり、同様の内容の発達検査でも繰り返し行って安定した結果を得るように努めなければならない。乳幼児など子どもの発達・学習は可塑性に富んでいることから、一回の発達検査をしてもその後に能力・発達の水準が大きく変化することも少なくないので、乳幼児の発達検査は特定の発達障害や遺伝子異常を除いては、『確定診断的な位置づけ』で用いることは難しい。小さな子どもはその時の気分・体調・意欲にテストの結果が左右されやすく、周囲の環境の変化や検査者の態度・好き嫌いによっても影響を受けやすいという問題もある。



posted by ESDV Words Labo at 06:09 | TrackBack(0) | は:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。