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2006年06月19日

[都会的なアーバン・パーソナリティ(urban personality)・農村的なルーラル・パーソナリティ(rural personality)・田舎的なラスティック・パーソナリティ(rustic personality)]

都会的なアーバン・パーソナリティ(urban personality)・農村的なルーラル・パーソナリティ・田舎的なラスティック・パーソナリティ(rustic personality)

『産業革命とアーバニズム』に関連して、都市的な性格特性と生活様式(ライフスタイル)に関係して形成されるアーバン・パーソナリティ(urban personality)についての説明を簡単に補足しておきたいと思う。

日本や欧米の先進国では、近代社会以降、農林水産業など第一次産業に従事する労働者の数は減少し、営業・企画・販売・接客などサービス業全般が含まれる第三次産業に従事する国民の数が急激に増大した。日本では20世紀半ば頃までは、工業化の影響を受けて製造業(鉄鋼業・繊維業・化学産業・造船業)を中心とする第二次産業が隆盛したが、20世紀末から現在に掛けてサービス業に従事する労働人口が大きくなっている。

都市的な人格構造であるアーバン・パーソナリティは、物理的に豊かな都市環境の影響だけでなく、接客・販売・営業のサービス業、金融サービス業、証券業、投資ビジネス(ファンドビジネス)といった第三次産業の職業活動に従事することの影響も受けて形成される。

農業・漁業・林業といった第一次産業の労働は農村地帯の小規模な共同体(村落)を基盤として行われ、身近な家族親族や同郷の隣人と一緒に協力して働くことになる。

『都市的パーソナリティ(urban personality)』と対比される『農村的パーソナリティ(rural personality)』の特徴は、『農林水産業など相互扶助の精神に基づく協働形態・相互監視機能となる顔見知りの同郷人への関心や干渉の強さ・濃厚な家族親族関係と密接な隣人関係(近所付き合い)・農村共同体特有の伝統(慣習・宗教・行事)の存在・効率性や生産性よりも平等性や共感性を重視する傾向』といったことで表すことが出来る。

現在では、農村部の過疎化と都市部の拡大化、メディア(テレビ・インターネット・書籍雑誌)の発達によって、農村部と都市部の文化的な境界線は必ずしも明瞭ではなくなっている。農村部から都市部へと流入する若年層の人口も大きくなっており、地方特有の方言や習慣、伝統も衰退している風潮がある。

その為、重要文化財や無形文化財、人間国宝としての価値を有する『地方固有の稀少文化・歴史的建築物・伝統行事・工芸技術』を保存して継承することが、現代の国家(地方自治体)・国民の重要な責務となっている。20世紀後半以降の先進国では、農村地帯の衰退と都市化の進行によって、国家と国民の価値観全体が『合理性・効率性・個人主義・自由主義・経済優先』に象徴されるアーバン・パーソナリティの様相を帯びて来ている。

オーソドックスなアーバニズムの生活様式や価値規範の特徴とは、『ウエットではないドライな人間関係・地域社会の弱体化・家族関係の希薄化と核家族の増大・生産性や効率性の重視・快適で清潔な住環境の選好・価値相対主義・洗練されたファッションとコミュニケーション』などによって示される。農村共同体との対比で考えると、他者(共同体)に干渉されない個人主義と他者に迷惑を掛けない限り自由に振る舞って良い自由主義を尊重するのが、都市共同体の顕著な特徴ともいえるだろう。

現代社会に生きる人々の性格特性及び人格構造は、基本的に『都市的パーソナリティ(urban personality)』である。それは、相互扶助と協働を前提とする農村共同体によって培われる『農村的パーソナリティ(rural personality)』に対峙するものというよりも、センスや趣味、ライフスタイルが垢抜けず洗練されていない『田舎者パーソナリティ(rustic personality)』に対立するものとして現代では認識されている。

ラスティック・パーソナリティ(rustic personality)の特徴は、『服装や言葉が標準的でない・センスが流行から外れている・容姿や振る舞いが垢抜けない・ライフスタイルが洗練されていない・対人関係の持ち方が純粋である・義理人情を重視する』といったものであり、アーバン・パーソナリティと優劣を競うような価値判断には実質的な意味がなく、両者ともそれぞれ、その価値観やライフスタイルには一長一短がある。



posted by ESDV Words Labo at 06:07 | TrackBack(0) | あ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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