パッチテスト(patch test)
身体に抗原(細菌・化学物質・ダニ・ホコリ)が接触・侵入した場合に、それに対応する抗体が過剰産生されて炎症や発赤、かゆみ、かぶれなどを起こす反応を『アレルギー反応』と呼び、生得的に特定の物質に対するアレルギー反応を起こしやすい体質のことを『アレルギー体質』という。遺伝・体質の要因が関与している代表的なアレルギー性疾患には、『アトピー性皮膚炎・気管支喘息・アレルギー性鼻炎・花粉症』などがあるが、その多くは先天性・遺伝性のものである。
ただしアレルギー性疾患の中には、一定量以上の抗原(花粉)に接触し続けることで閾値を超えて、突然ある時点でアレルギー反応としての鼻水・くしゃみ・炎症・かゆみ・発赤を示すようになる『一部の花粉症』のようなものもある。閾値を超えた抗原への暴露によって発症する一部の花粉症のような『後天的なアレルギー性疾患』では、それまで全く何のアレルギー反応も無かった人が突然アレルギー性疾患になってしまうことがあるので、すべてのアレルギーが遺伝性・先天性であるわけではない。しかし、それまでアレルギーがなくて突然アレルギー疾患を発症する人には、『アレルギー体質の潜在的な素因』を持っていたと推測される。
特定の物質に接触したり摂取した時に、アレルギー反応を示すことが多いが、この物質のことを『アレルゲン(接触アレルゲン)』と呼ぶ。アレルゲンになるものには、ハウスダストやダニ、特定の食品(卵・牛乳など)、化粧品、香料、金属、植物(うるし)などがあるが、アレルギー性疾患の対応・治療ではどの物質によってアレルギー反応が引き起こされているのかを確認する『アレルゲンの特定』が重要になってくる。パッチテスト(patch test)は、主に接触皮膚炎のアレルゲンを特定するための医学的検査である。
パッチテストでは、アレルゲンと疑われる物質を少量だけ皮膚に貼り付けたり塗ったりしてみて、『24〜48時間後』に赤みや炎症、水疱の有無を確認することで判定を行う。その試してみた物質がアレルゲンの場合には、皮膚に発赤・炎症・水疱などの症状がでてくるが、その場合にはその物質にできるだけ接触しないようにする生活指導を行ったり、その食品を除いたメニューを作る食餌療法を実施することになる。