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2011年05月19日

[パラ・カウンセラー(para-counselor)]

パラ・カウンセラー(para-counselor)

パラ(para)というのは『副・準・二番目の・類似の』といった意味であり、パラ・カウンセラー(para-counselor)というのは、カウンセラーではないがカウンセラー的な役割を果たしている『準カウンセラー・副職的カウンセラー(教師や会社員との兼務など)・メンタルケアの関連スタッフ』といった意味で用いられている。メンタルヘルスの支援体制やカウンセリングの利用状況が進んだアメリカで用いられるようになった概念であり、日本ではパラ・カウンセラーという言葉はほとんど普及していない。

医療分野では、医師ではないが医師と相互協力体制を取っている医療関連スタッフのことを、『コ・メディカル,パラ・メディカル』と呼ぶことがあるが、パラ・カウンセラーという言い方も、カウンセラーと連携を取る心理ケアの専門家(準専門家)といった意味合いを持っている。カウンセラーに準じて『クライアントの悩みについての傾聴・支持・保証・受容』などを行うが、専門的な心理療法(技法の適用)や精神分析的な解釈などを行うことは通常ない。

プロフェッショナルとして心理アセスメントやカウンセリング(心理療法)を実施するカウンセラーとクライアントの中間に存在する職域がパラ・カウンセラーである。症状や問題が深刻であったりなど必要なケースがあれば、パラ・カウンセラーが悩みを聴いたクライアントを、更に専門的な知識・技術を持つカウンセラーに紹介することもあり、心理相談・カウンセリングの分野におけるコーディネーター(紹介・斡旋業)としての役割にも期待されている。

カウンセラーの周辺領域においてパラ・カウンセラーとしての役割や作用が期待されている職業としては、教師・保育士・電話相談員(いのちの電話)・保護司・ケースワーカー(社会福祉士)・福祉担当の公務員・調停員などがあるが、現状ではカウンセリングや心理的ケア、精神疾患に関する知識・経験・適性が不足していることも多いのが問題である。精神医療や心理臨床へのコーディネーターの役割を効果的に果たすという意味でも、必要限度のメンタルヘルスや精神医学、臨床心理学に関する研修・教育の機会を設けることが望まれている。

posted by ESDV Words Labo at 17:07 | TrackBack(0) | は:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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