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2011年06月02日

[パラメトリック検定(parametric test)]

パラメトリック検定(parametric test)

パラメトリック検定(parametric test)とは、母集団の分布パターンや母数について釣鐘型(ベル型)の正規分布(ガウス曲線)を前提とした統計学的な検定方法であり、パラメトリックとは『(仮定に)拘束される』の意味である。代表的なパラメトリック検定には、群間のバラツキや差を検定する“fテスト(f検定)”“tテスト(t検定)”がある。

学校の試験(学力テスト)の点数や色々な能力を測定した数値で分散を調べると、その多くは正規分布曲線(平均点付近の分布が大きくなり、点数が極端に高かったり低かったりの両端が小さくなる釣鐘型の曲線)を描くことになるので、サンプル数が多い統計ではパラメトリック検定が用いられることが多い。パラメトリック検定は、統計手法としてはベーシックなものであり、正規分布曲線が想定される一般的な統計データの検定で用いられる。

fテスト(f検定)というのは、F分布を利用して2群間の分散の比の検定を行うテストであり、『等分散性の検定』で利用されている。F分布(F distribution)は『スネデカーのF分布(Snedecor's F distribution)』『フィッシャー-スネデカー分布(Fisher-Snedecor distribution)』と呼ばれることもあるが、ノンパラメトリックのカイ二乗分布に従う2つの変数の比を示している。F分布は、F検定において帰無仮説に従う分布として用いられ、分散分析にも応用される。

fテストは、2つの正規母集団の『分散』が等しいかどうかを検定するテストであり、2つの群の比を確かめることで分散の検定を行う。2つの群が『等分散』であればその自由度はn-1のF分布に従うことになるが、このfテストはtテストの前提条件となる『等分散性』の検定のために実施されることが多い。tテストにおいて、標本が正規分布に従うかどうかは、『コルモゴロフ-スミルノフ検定』や『シャピロ-ウィルク検定』など正規性検定で確かめられる。標本の分散が等しいかどうかは、ここに上げた『F検定』や『バートレット検定』などで確かめられることになる。

tテスト(t検定)というのは、t分布を利用して2群間の平均値の差の検定を行うテストであり、『対応のあるt検定』『対応のないt検定』という2種類がある。t検定では、帰無仮説が正しいと仮定した場合には、そのサンプルはt分布に従うことになる。『対応のないt検定』とは、2つの群が独立している場合に用いられる検定で、相互に関係のないA市の所得水準とB市の所得水準の平均値の差の検定を行う場合などが当てはまる。『対応のあるt検定』とは、同一の被検者に対して二回のテストを行ってそれぞれのデータを取り、その平均値の差の検定を行う場合などが当てはまる。

パラメトリック検定のt検定は、平均値の差の検定なので、間隔尺度以上でないと用いることができない特徴を持っており、以下の2つの前提が成立しないと実施することができない。

1.それぞれの母集団のサンプルが正規分布をしていること。

2.2つの群のサンプルが等分散性の特徴を持っていること。

2つの群のサンプルが等分散性を持っていない時には、『ウェルチのt検定』と呼ばれる検定を行うことになる。

posted by ESDV Words Labo at 03:52 | TrackBack(0) | は:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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