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2011年07月04日

[ピア・カウンセラー(peer counselor),ピア・カウンセリング]

ピア・カウンセラー(peer counselor),ピア・カウンセリング

臨床心理学や心理アセスメント、大学教育(資格制度)などを前提とする公的・学術的な“プロフェッショナル・カウンセリング”に対する概念として、“パラ・カウンセリング”がある。そして、パラ・カウンセリングよりも更に身近なカウンセリングの概念として、“ピア・カウンセリング(peer counseling)”というものがある。ピア・カウンセリングを実施・提供する者を“ピア・カウンセラー”と呼ぶが、『ピア(peer)』とは仲間・同僚・身近な友といった概念である。

ピア・カウンセリングというと一定の研修や教育プログラムがあるとはいえ、“素人による非技術的・感情的なカウンセリング”といった意味合いで受け取られる恐れがあり、プロフェッショナルの心理臨床家(カウンセラー)よりもカウンセリング効果が落ちると思われがちである。だが、クライエントの性格特性や問題の性質によってはピア・カウンセリングのほうが高い効果を発揮できることがある。ピア・カウンセリングとは身近な人間関係の信頼感・共感力を直接的に活用したカウンセリングの事であり、ピア・カウンセラーとは『日常においては友人・仲間として位置づけられるカウンセラー』の事である。

一般的には、カウンセリングや心理療法は『友人や仲間との間(知人間)』では、お互いを普段から良く知っているが故の遠慮や気遣いが働きやすく、『本音で話せない話題・心的内容』が多くなりやすいと考えられている。カウンセリングの主な効果には、抑圧された感情を解放する『カタルシス効果(感情浄化)』、自分の気づかなかった考え方や記憶内容に気づいたり内的世界を自己洞察する『アウェアネス効果(気づき)・インサイト効果(自己洞察)』、信頼できるカウンセラーから支持・保証を与えられる『バディ効果』がある。

典型的なピア・カウンセリングとは、上級生が下級生をカウンセリングしたり、上司(先輩社員)が部下(後輩社員)をカウンセリングしたりといった関係性になりやすいが、ピア・カウンセリングの前提となる『友人・仲間としての直接的人間関係』の条件には以下のようなものがある。

1.日常生活において同じ環境を共有する時間が長いこと。

2.親子や友達同士、上司と部下、先輩と後輩のような社会的関係性をカウンセラーとクライエントが持っていること。

3.お互いに対する信頼感・親近感・共感性といったポジティブな感情が前提としてあること。

4.気楽にコミュニケーションやちょっとした雑談を交わせるような間柄で遠慮が少ないこと。

ピア・カウンセラーになる人には、『学生・会社員・医療関係者・主婦(主夫)・地域社会の構成員』などさまざまな背景と関係を持つ人がいるが、ピア・カウンセリングの弱点としては『親しいクライエントであるために客観的な観察・評価がしにくくなること』『専門性や熟達性を要する各種技法の具体的適用に困難があること(心理アセスメントにも正確性は期待しづらいこと)』などが上げられる。



posted by ESDV Words Labo at 02:14 | TrackBack(0) | ひ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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