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2006年07月27日

[心理カウンセリングと児童福祉分野のインテーク面接(intake, 受理面接)]

インテーク面接(intake, 受理面接)

インテーク面接(受理面接)とは、カウンセリングや心理療法などの心理面接で行われる一番最初の面接のことであり、心理臨床家(カウンセラー)とクライエント(来談者・相談者)がはじめて出会う場である。

インテーク面接(受理面接)では、具体的な問題解決や症状改善の為の技法を実施するのではなく、『クライエントに関する基本的情報(氏名・性別・悩みや問題など主訴・心理状態・対人関係・精神病理・生活状況)の大まかな把握』が優先されることになる。心理アセスメントを実施する場合もあるが、本格的な性格検査や知能検査、精神病理のアセスメントが行われることは稀である。

しかし、精神科や心療内科といった精神医療の一環としての臨床面接では、心身状態の概観を理解するための総合的な質問紙によるアセスメントを行っている医師もいる。これは、脳疾患や神経疾患、内分泌系の障害など身体疾患を精神疾患から区別する除外診断を行うという意図もある。

心理学的アプローチを行うカウンセリング場面におけるインテーク面接の目的は、『クライエントの心理状態・精神病理・生活状況を適格に判断して、そのクライエントの必要とする心理援助へと連携すること』といえる。例えば、著明な陽性症状(妄想幻覚)が見られ、現実検討能力が障害されている統合失調症のクライエントには、抗精神病薬による薬物療法が必要と判断されることが少なくない。自殺念慮が過度に強まっているような重症うつ病患者の場合にも、抗うつ薬の薬物療法が必要な場合があるが、そういった重症度が高い精神疾患の場合は、心理臨床家は精神科医の医療と連携して心理療法に当たるケースが多くなる。

それ以外にも、経済的貧苦による生活の困窮から精神的な悩みが出てきているクライエントなどの場合には、心理専門家による対人援助だけでは生活上の問題の解決が難しいといえる。精神的苦悩に、経済問題や育児困難など社会環境要因が深く介在している場合には、社会福祉制度(精神保健福祉制度)の実務などに詳しいソーシャルワーカー(精神保健福祉士)のコンサルテーションが必要になることがある。

インテーク面接では、心理専門家が単独で相談に乗って改善効果を上げられるケースなのか、心理専門家以外の医師・看護師・福祉士・介護士・教師・行政関係者との協力関係に基づくコラボレーション(協働)が必要なケースなのかの「見立て(クライエントの病態や問題の判別とアセスメント)」が重要になってくるといえる。

そういった実務的・技術的なインテークの目的とは別に、インテーク面接にはカウンセラーとクライエントのラポール(相互的信頼関係)を築くきっかけを掴み、心理的援助を必要とするクライエントが継続的に心理面接に訪れるモチベーション(内発的動因・心理療法への意欲)を高めるという意味がある。インテーク時のクライエントに対応する態度として基本とされるのは、『何でも自由に話せるという非審判的で共感的な態度』であり、『信頼感や安心感をクライエントに与えられる人格性と専門的能力』も重要なポイントとなる。

インテーク・カンファレンス(intake conference, 受理会議)

strong>インテーク・カンファレンス(intake conference, 受理会議)というのは、一般的な精神医療や心理臨床の分野では、精神疾患や心理的な問題を抱えたクライエントのケース(事例・症例)を巡る専門家間での話し合いの会議のことを意味する。

狭義のstrong>インテーク・カンファレンス(intake conference, 受理会議)として、児童福祉分野(児童心理臨床分野)で児童への対応や処遇を具体的にどのようにするのが良いのかを関係者間で話し合う会議がある。このインテーク・カンファレンスは、虐待や家庭内暴力、犯罪、非行といった問題によって、児童相談所に送られてきた児童の対人援助の方法やその後の処遇を決める為の話し合いであり、児童の生命・身体の安全を最優先事項としながらも、児童の希望を大切にして具体的な対応を模索していくものである。

児童相談所や児童福祉施設で行われるインテーク・カンファレンスの参加者は、行政機関に所属する児童福祉の専門家(児童福祉司・心理判定員など)が中心となるが、施設内部の職員だけでは専門性や経験が不足している場合には外部の医療・心理・教育・福祉の専門家を交えてカンファレンスを行うことも必要になってくる。児童の反社会的な逸脱行動や攻撃性を矯正する為の心理カウンセリングを行うような機能は児童福祉分野ではあまり重視されておらず、児童の心身の保護と環境適応のための教育を中心とした対処・処遇が行われている傾向にある。



posted by ESDV Words Labo at 13:12 | TrackBack(0) | い:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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