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2006年08月07日

[アルコール関連障害と急性アルコール中毒]

アルコール関連障害と急性アルコール中毒

アルコール依存症の状態にある患者が発症する精神病圏に近い特異的な精神疾患を『アルコール精神病(alcoholic psychosis)』と呼ぶ。アルコール精神病には、各種の身体症状と合わせて、知覚・記憶・認知・判断・現実見当識といった精神機能が障害される多様な精神症状が現れる。幻覚妄想などの統合失調症の陽性症状に似た症状や脳に器質的病変が生じて知能の低下や認知の障害が起きる認知症(痴呆)に似た症状が発現することもある。こういった重症度の高いアルコール精神病の症状は、長期的な大量飲酒による連続飲酒発作ブラックアウト(一時的な健忘・記憶喪失)を起こした既往のある患者が発症しやすい。

連続飲酒発作というのは、その人のアルコール摂取量の限界まで飲んでは眠り、起きてはまた飲めるだけ飲んで眠りという連続飲酒パターンを示し、24時間絶えず血中にアルコールが残留している状態を維持する発作のことである。アルコール依存症の重症例には、必然的に連続飲酒発作と禁断症状がセットに見られるようになり、アルコールが切れると手・指が震えたり、強烈な不安感や焦燥感を感じたり、幻覚妄想の精神症状が現れるのでそういった不快な苦しい禁断症状を逃れるためにアルコールを摂取しなければいけなくなる。アルコール依存症とは、自分の意志や決断と無関係に、飲むという行為をコントロールすることが出来ないという強迫的飲酒を特徴とする嗜癖(依存症)の病理なのである。

アルコールの過剰摂取と強迫的飲酒による嗜癖(依存症)形成は、『人間の身体状態・精神状態・人間関係・家族関係・職業活動・社会的信頼』の全ての領域に深刻な障害と甚大な損失をもたらすが、こういったアルコール摂取によって生じてくる障害や問題全体をまとめて『アルコール関連障害』という。アルコール関連障害には、アルコール精神病を含めて以下のようなものがある。

1.急性アルコール中毒

アルコールの摂取によって急速な身体的・精神的な変化が生じて、意識障害や感情変化、人格変容の症状を示すものを急性アルコール中毒といい、アセトアルデヒド分解酵素などが欠如している人の場合には急性アルコール中毒で死亡するケースもある。

急性アルコール中毒には、普通酩酊異常酩酊(病的酩酊・複雑酩酊)とがある。普通酩酊では、軽度の精神状態の変化(感情高揚・抑制消失=明るく気分がハイになり、理性的な抑制が効かなくなるが、次第に眠気を感じる)が見られ、比較的軽い運動障害や言語障害が生起するが、自分の名前や自分がいる場所が分からないレベルの認知障害(失見当識)が見られることは稀である。

異常酩酊の病的酩酊では、まずブラックアウトが起こり飲酒時の記憶障害が見られるという点に特徴があり、性格変化(短気で口数が多くなる・攻撃性亢進・行動力強化)が起こって対人関係のトラブルを起こしやすくなる。また、意識水準のレベルが大きく低下して、意識朦朧や意識混濁など意識障害が見られ、稀に、意味不明なうわ言を一人で喋り続けてぼんやりしているような譫妄(せんもう)が見られることもある。

複雑酩酊では、病的酩酊のような記憶障害(健忘)のブラックアウトは比較的軽いが、急速かつ過激な人格変化が見られ普段と異なる暴力的行為や罵倒・暴言・侮辱などの発言をすることがある。異常な行動力と積極性が現れて、躁状態になり犯罪行為や暴力事件にまで発展するケースもある。

○この記事に関連するコンテンツ
アルコール関連障害・ウェルニッケ‐コルサコフ症候群

ラベル:精神疾患
posted by ESDV Words Labo at 21:44 | TrackBack(1) | あ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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