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2011年09月25日

[ビューロクラシー(bureaucracy),官僚制1:官僚機構の歴史と特徴]

ビューロクラシー(bureaucracy),官僚制1:官僚機構の歴史と特徴

ビューロクラシー(bureaucracy)とは官僚制や官僚政治を意味する英語であるが、『官僚制度・官僚政治(学歴的選良による政治)』に対する一般的評価は近代初期と現代とでは180度異なるものになっており、現代では官僚制に対する『ネガティブな評価・不正な既得権益の弊害』が多くなっている。

古代日本(飛鳥時代・奈良時代・平安時代)の律令制の王朝政治や古代中国の中華王朝、近代以前の世界各地の政治権力にも『官僚制・官僚政治』は存在したが、この時代のビューロクラシーは『支配的・固定的な特殊な身分階層』を意味することが多く、近現代の官僚制度と同列に語ることはできない。また、同じ官僚であっても専門性・政策立案能力を持つ『テクノクラート(技術官僚)』と一般的な事務手続きを行うだけの『ビューロクラート(事務官僚)』とを区別することもある。

官僚制のビューロクラシーとは、構成員の多い社会的な集団組織における『合理的な管理・支配のシステム』のことであり、元々は『不合理な無駄・確率的なミス・経済的なコスト』を減らせる効率的な制度として設計されていた。しかし、年月が経過し組織が肥大して、慣習・規則が形式化(自己保身化)する中で、逆に『無駄な業務・既得権の弊害・形式主義の煩雑さ』の多い非効率的で高コストのシステムとなってしまい、官僚制の存在意義が『社会的利益』よりも『自己保身(組織保存)』に転換してしまったのである。

『狭義の官僚制(ビューロクラシー)』は、行政の中央省庁・公的機関や地方の役所・公的機関の運営システムのことを指しており、基本的には採用試験で選抜された公務員によって構成される公共的な集団組織を意味している。行政・公的手続きに携わる公務員が担っている支配・管理・手続きのシステムのことを指して、狭義のビューロクラシーというのである。

『広義の官僚制(ビューロクラシー)』は、公的機関に限定されず企業や政党、労働組合、NPO、NGOなどにも適用される概念であり、組織内部の上下関係・指揮命令系統を厳格化するヒエラルキー構造(階層構造)を持っているシステムのことを意味している。トップダウン(上意下達)のヒエラルキー構造を前提として、集団内部で共有される規則や役割、慣習、形式を持っている集団組織のシステムを指して、広義のビューロクラシーと呼んでいる。

広義の官僚制(ビューロクラシー)の特徴として上げられるものとしては、『トップダウンの指揮命令系統と役割分担に支えられたヒエラルキー構造(階層構造)』『形式的・慣習的な融通の効かない規則による集団組織の統制・支配』があり、実際的な官僚機構の構成員は公務員(官吏)のように『一定の資質・資格(試験合格)・能力』を立証できた者によって構成されている。

官僚組織は『能力や資格に応じた専門分化』を進めることで部門・職種を細分化しながら肥大化していく傾向を持ち、『組織内部での貢献度や役割』が重要視されやすくなるので、『組織外部の公益や目標』が軽視されやすいという本質的な問題を併せ持っている。ビューロクラシーの根本的な問題点は、内部に甘く外部に厳しい“自己保身・自己肥大・村社会化”を引き起こしやすい事にあり、政治的・法律的・手続き的な権限を多く握る事によって外部機関から官僚機構を制御することは非常に難しくなっていく。



posted by ESDV Words Labo at 16:21 | TrackBack(0) | ひ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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