ウェブとブログの検索

カスタム検索





2011年11月01日

[治験の二重盲検法(Double blind test)・二重盲検比較臨床試験:3]

治験の二重盲検法(Double blind test)・二重盲検比較臨床試験:3

前回の記事では四段階に区分される治験の具体的な内容について解説しましたが、ここでは薬剤の有効性・副作用を検証するための二重盲検法(二重盲検比較臨床試験)について見ていきます。

治験では試験する薬剤の効果や副作用を厳密に判定するために、被検者あるいは検査者の薬に対する認識をなくす『盲検試験法(ブラインドテスト)』という方法が採用されている。治験で新薬・医療機器の効果や安全性、副作用を調査する時には、被検者を『実験群』『対照群』とに分けて、実験群には本物の新薬(治験薬)を与えるが、対象群のほうには偽薬(プラセボ)を与える。どちらの群にも薬を与える時には、『病気に効く新薬を処方するので飲んでください』という教示を与えるので、対照軍で砂糖などの偽薬を飲む被検者も、本当の薬を飲んでいると思って飲むことになる。

実際には、効果がないはずの偽薬(プラセボ)を本物の薬と思って飲んだ被検者にも、症状が改善する効果が出ることがあるが、これは偽薬とは知らされていない事によって生じる『プラセボ効果(偽薬効果)』である。実際は偽薬であっても本当に効く薬だと思い込んだままで服用すれば、心理的な暗示効果が発生してプラセボ効果が得られることがある。治験では『新薬の本当の効果』を調査するためにこのプラセボ効果を排除する必要が出てくる。そこで新薬を投与しているのか偽薬を投与しているのか、被検者本人に知らせずに調査を行う『単盲検試験(single blind test)』を行うことになる。

しかし単盲検試験では、医師(検査者)は自分が被検者に処方している薬が本物の薬なのか偽薬なのかを知っているので、その区別が口調や態度、表情に現れやすくなったり、薬の効果や安全性についての先入観を持ちやすくなってしまう問題がある。

その問題を回避するためには、薬を処方する医師にも『自分が処方している薬が本物なのか偽薬なのかの情報』を知らせないようにすることが有効であり、このように被検者にも医師(検査者)にも薬の区別(治験薬か偽薬か)についての情報を与えない臨床試験法を『二重盲検法(Double blind test)』といい、治験では最もスタンダードな信頼のおける検査法になっている。

二重盲検試験の実施に際しては、被験薬と対照薬(偽薬)は製造後に、治験依頼者から独立した第三者機関(割付責任者)によって、1名分(1回分)ずつ全く同じ外観のパッケージに入れられて識別できないようにされる。しかし、1つ1つの薬剤にはそれぞれに識別のための『固有の番号』がつけられており、二重盲検試験が終了して被検者に効果や副作用が出たかどうかのデータベースが出揃った段階で、投与した薬と固有の番号を照らし合わせて治験薬の効果を確認することになる。

二重盲検法は『ダブルブラインドテスト』『二重盲検比較臨床試験』と呼ばれたりすることもあるが、欧米ではブラインド(盲検)という言葉に盲目をイメージさせるニュアンスがあるということから、『二重マスク法』という呼び方がされることもある。



posted by ESDV Words Labo at 23:02 | TrackBack(0) | ち:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。