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2006年09月09日

[HTPテスト(House-Tree-Person Test, 家屋‐樹木‐人物画法テスト)と投影法(描画法)]

HTPテスト(House-Tree-Person Test, 家屋‐樹木‐人物画法テスト)と投影法

J.N.バック(J.N.Buck)によって、1948年に考案された投影法(projective method)の人格検査(personality test)が「HTPテスト(House-Tree-Person Test, 家屋‐樹木‐人物画法テスト)」である。

クライエントの心理状態や精神病理の有無、生活状況、性格傾向などについての概略を知る為に実施する心理アセスメント(心理査定)では、心理検査(心理テスト)が行われることが多い。心理テストには、知能検査と人格検査(性格検査)の二つがあるが、人格検査を実施する方法として、質問項目に答えていく「質問紙法(Questionnaire)」と無意識領域の欲求や記憶を探求しようとする「投影法(projective method)」とがある。

HTPテスト以外の最も有名な投影法には、スイスの精神科医ヘルマン・ロールシャッハ(Hermann Rorschach, 1884-1922)が開発したロールシャッハ・テストがある。ロールシャッハ・テストでは、多義的な解釈が成り立つ左右対称の曖昧なインクのしみの図版10枚を、被検者に見せていく。その曖昧なインクのしみの図形が何に見えるのかを質問して、被験者の反応や回答によって、無意識領域の心理状態や病理水準、人格特性を測定しようとするものである。

J.N.バックが開発したHTPテスト(House-Tree-Person Test, 家屋‐樹木‐人物画法テスト)は、描画法による投影法の人格検査(パーソナリティ・テスト)であり、被検者に「家屋(house)」「樹木(tree)」「人物(person)」の鉛筆画や色彩画を別々の画用紙に書かせて、無意識領域の感情や願望、葛藤を解釈しようとするものである。

絵は、家屋→樹木→人物の順番で描かせ、検査者は被検者に絵に対する「探索的な質問」を行って心理検査を進めていく。自由に描かれた絵に、被検者のどのような感情や苦悩、願望が投影されているのかを分析していく作業が最も重要である。

HTPテストは、個人に対して実施する「個別検査」としても集団に対して実施する「集団検査」としても用いることができ、絵が描けるようになった幼児から成人にまで適用が可能である。日本で開発されたHTPテストでは、J.N.バックの「人物」に加えて、更にその人物とは「異なる性別の人物(初めに書いた絵が男性であれば女性)」を描かせる高橋雅春HTPPテスト(House-Tree-Person-Person Test)がある。

それ以外にも、中井久夫たちが1971年に開発した「多面的HTPテスト」があり、これは「家屋(house)」「樹木(tree)」「人物(person)」の鉛筆画や色彩画を別々の紙ではなく「一枚の紙」に描かせて無意識的な心理傾向を読み解こうとするものである。

HTPテストには、内面的葛藤や無意識的願望を絵画で表現してカタルシス(感情浄化)の効果を得るという「アートセラピー(芸術療法)」としての意味合いもある。投影法では検査結果の妥当性や信頼性を検証することが難しく、HTPテストでは、検査者の質問内容や熟練度によって検査結果の有用性が変化するという問題が指摘される。

ラベル:心理テスト
posted by ESDV Words Labo at 09:49 | TrackBack(0) | え:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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