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2006年09月10日

[AAトレーニング(autogenic abreaction training)と自律訓練法:1]

AAトレーニング(autogenic abreaction training)と自律訓練法:1

ドイツの精神科医シュルツ(J.H.Shultz, 1884-1970)が開発した自律訓練法(autogenic training:AT)は、筋肉と精神を弛緩させる自己暗示を応用したリラクセーション技法の一つである。催眠療法の歴史的系譜に位置づけられる自律訓練法では、身体と精神のセルフコントロールを実現する為の「6つの基本公式の習得」を段階的に行っていくという特徴がある。

シュルツの自律訓練法の自己催眠的な技法は、催眠療法の研究家O.フォクト(O.Vogt, 1870-1959)が提唱した「予防的休息法」の影響を強く受けていると言われる。シュルツもフォクトも、19世紀において主流だった催眠療法家がクライエントを催眠誘導する「他者催眠」を採用せずに、クライエント自身が自分の言葉や意識の向け方の変化で自分に暗示を掛ける「自己催眠」を採用した。

他者催眠と比較した場合に、自己催眠的な技法の優れているところは、「いつでもどこでも気軽にリラクセーションの暗示を掛けられること」「他人(専門家)に操作され支配されているという意識を持たないで済むこと」である。他人から誘導されるのではなく、主体的に自分の心理状態や身体の調子を自己暗示を用いてセルフコントロールすることが、自律訓練法やAAトレーニングの最大の目的なのである。

生理学的作用の観点から考えれば、心身を緊張させる交感神経系優位の状態から副交感神経系優位の状態へと変化させることを意味する。あるいは、自律訓練法などの自己催眠技法は、交感神経と副交感神経のどちらの神経系を優位にするというのではなく、心身の健康状態を維持するのに適切な活動水準へバランスを取る働きがあると考えられている。

交感神経が優位に働いている時には「筋緊張・心拍数増加・血圧上昇・血管収縮・体温低下・呼吸数上昇・発汗促進」などの生理的変化が起こるが、副交感神経が優位に働いている時には「筋弛緩・心拍数減少・血圧低下・血管拡張・体温低下・呼吸数上昇・発汗促進」のリラクセーションを促進する生理的変化が起こりやすいのである。

心理的な不安や身体的な緊張を和らげる自律訓練法が効果を発揮しやすい精神疾患(適応疾患)としては、「全般性不安障害(GAD)・社会性不安障害(SAD)・パニック障害・心身症・自律神経失調症・肩こり・腰痛・関節炎・リウマチ・アトピー性皮膚炎」などがある。基本的に、情緒不安定な不安の強い精神状態やイライラして感情的に高ぶっている心理状態に効果があり、身体的な緊張や苦痛、疲労感、倦怠感などを緩和してリラックスさせる効果も期待できる。自律訓練法は、心身に対する自己統制感を回復させるので、自分の精神の感情や気分、自分の身体の過敏性や苦痛をある程度コントロールできるようになる。

自律訓練法の基本公式と自律性除反応を応用したルーテのAAトレーニングについても、次の記事で説明したいと思う。

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ラベル:心理療法
posted by ESDV Words Labo at 23:47 | TrackBack(0) | え:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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