慢性疲労症候群(CFS)の症状・診断基準・治療と疲労(fatigue):2
この記事は、『前回のCFSに関連する記事』の続きになります。慢性疲労症候群(CFS)は『原因不明の疾患』であることもあり、患者が慢性的な疲労感を訴えた後で、血液検査等をはじめとする全身の検査を行って、何の病気・異常・精神疾患も発見されない時に、初めて慢性疲労症候群の可能性が疑われるという『除外診断』になっている。ただし気分障害(双極性障害及び精神病性うつ病を除くうつ病)、不安障害、身体表現性障害・転換性障害、線維筋痛症は併存疾患として同時に診断されることも少なからずあり、CFSはそれ単独のみで発症する病気とは言えない。
慢性疲労症候群(CFS)の診断基準には複数の種類があるが、現状では血液検査などで明らかになるCFSに特異的な検査異常はないので、臨床的所見からの診断が一般的に行われている。ここでは一般的に普及してきている日本疲労学会診断指針(2007)と厚生労働省の診断基準案、アメリカCDC診断基準(fukuda,1994)を挙げておく。
日本疲労学会診断指針(2007)
前提I(除外診断と併存疾患の診断)
病歴、身体診察、臨床検査を精確に行い、慢性疲労をきたす疾患を除外する。ただし抗アレルギー薬などの長期服用者とBMIが40を超える肥満者に対しては、当該病態が改善し、慢性疲労との因果関係が明確になるまで、CFSの診断を保留し経過観察する。また、気分障害(双極性障害,陽性症状のある精神病性うつ病を除く)、不安障害、身体表現性障害、線維筋痛症は併存疾患として扱う。
前提U
[前提I]の検索によっても慢性疲労の原因が不明で、以下の4項目を満たしている。
1.この全身倦怠感は新しく発症したものであり急激に始まった。
2.十分な休養をとっても回復しない。
3.現在行っている仕事や生活習慣のせいではない。
4.日常の生活活動が発症前に比べて50%以下になっている。あるいは疲労感のため、月に数日は社会生活や仕事ができず休んでいる
前提V
以下の自覚症状と他覚的所見10項目のうち5項目以上を満たしている。
1.労作後疲労感(労作後休んでも24時間以上続く)。
2.筋肉痛
3.多発性関節痛(腫脹はない)。
4.頭痛
5.咽頭痛
6.睡眠障害(不眠・過眠・睡眠相の遅延)。
7.思考力・集中力・記憶力の低下
8.微熱
9.頚部リンパ節腫脹(明らかに病的腫脹と考えられる場合)
10.筋力低下
8、9、10の他覚的所見は、医師が少なくとも1か月以上の間隔をおいて2回は認めていること。
上記の前提であるI, U, Vに当てはまらず、原因不明の慢性疲労を訴える場合には、特発性慢性疲労(ICF:idiopathic chronic fatigue)と診断して経過観察をすることになる。

