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2011年12月08日

[慢性疲労症候群(CFS)の疲労(fatigue)を計測するPSと疲労物質:7]

慢性疲労症候群(CFS)の疲労(fatigue)を計測するPSと疲労物質:7

慢性疲労症候群(CFS)の生物学的・神経学的な原因としては、うつ病(単極性気分障害)や躁鬱病(双極性障害)と同じく『脳内のセロトニン系の分泌障害』も想定されている。CFSでは遊離脂肪酸の増加でトリプトファンとアルブミンの結合が外れ、血中や脳内のセロトニンが過剰に産生されることで、疲労感・倦怠感が強まりやすいと考えられている。CFSの患者の脳内の神経伝達活動についてはまだ不明な点が多く、うつ病と同じく脳神経科学的な解明が待たれるが、モノアミンと呼ばれる一群の情報伝達物質の分泌に何らかの偏り・異常が起きている可能性が指摘されている。

CFSの強度の疲労の原因は“身体的生理的な原因”であると推測されているが、その大まかな原因は『遺伝子異常・サイトカイン異常(免疫低下)・生体ホルモンの異常(内分泌系の障害)・中枢神経系(脳機能を司る神経伝達物質)の異常』に分類することができる。人が疲労感を感じている時には、警告シグナルとして機能する情報伝達物質(疲労物質)である『サイトカイン(TGF-β及びインターフェロン)』が産生されているが、CFSではこのサイトカインが過剰産生されることで免疫機能の障害が引き起こされるという仮説が立てられている。

なぜサイトカインの過剰産生が起こるかの原因は、免疫能の正常性の指標となる“NK活性(ナチュラルキラー細胞の活性”の低下が指摘され、免疫力が低下することで体内に潜伏していたウイルス(ヘルペスウイルスのように神経末端で長く潜伏するタイプのウイルス)が再活性化して、サイトカインが大量産生されると推測されていた。 しかし、その後のイギリスやオランダの学術的研究では、CFSの診断基準を満たす患者の誰からも特定のウイルスは発見されることがなく、『CFSのウイルス感染症説』は未だに科学的に実証されていない状況にある。

またCFSを確実に発症させる特定のウイルスの存在が見つかっていないだけでなく、CFSは対人的な感染力を持つような疾患ではなく、患者との物理的・血液的な接触によって他人に感染したりするような感染症では当然ない。九州大学の研究では、疲労を実感させる脳内サイトカインの産生は、中枢神経系における感染などの炎症によってのみ誘発されるものではなく、各種の非炎症性ストレスによっても誘発されることが明らかになっており、疲労の種類を以下のように分類している。

1.過剰・長時間の運動などによる『肉体的疲労』

物理的な拘束・心理的な不安や焦りによる『精神的疲労』

暑熱・寒冷な環境などによる『環境的疲労』

感染や腫瘍、自己免疫疾患などによる『免疫学的疲労』

二項対立(二元論)に基づく一般的・古典的な疲労の分類は以下のようなものになる。

1.自覚疲労と客観疲労

2.肉体疲労と精神疲労

3.中枢疲労(脳疲労)と末梢疲労(各部の疲労)

4.臓器疲労と筋肉疲労

5.一過性疲労と慢性疲労

6.正常疲労と病的疲労(CFSなど)

この記事の内容に興味を持たれた方は、以下の関連記事も合わせて読んでみて下さい。

慢性疲労症候群(CFS)の症状・診断基準・治療と疲労(fatigue):1

慢性疲労症候群(CFS)の症状・診断基準・治療と疲労(fatigue):2

慢性疲労症候群(CFS)の症状・診断基準・治療と疲労(fatigue):3

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慢性疲労症候群(CFS)の疲労(fatigue)を計測するPSと疲労物質:6



posted by ESDV Words Labo at 05:09 | TrackBack(0) | ま:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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