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2011年12月29日

[ファシリテーター(facilitator)とファシリテーション(facilitation):2]

ファシリテーター(facilitator)とファシリテーション(facilitation):2

この記事は、[前回の項目]の続きになります。ファシリテーター(facilitator)とはミーティング(会議)やワークショップ、集団療法などにおいて、『集団の合意形成・メンバー間の相互信頼・共有される問題とテーマの解決』を促進する触媒的な人物のことであるが、実際の会議や集団療法の場面では『参加しているメンバーの支援・可能性の開発』も同時的に行うことになる。

集団の参加者が率直に自分の意見を述べやすいようにする環境や質問を準備したり、参加者同士が本音で語り合いやすいように話し合いの方向性を調整するのがファシリテーションであり、『最終的な目的』は集団の合意形成(会議の結論)やメンバー間の相互理解の深まりなどになる。

ファシリテーターが果たすことを期待されている具体的な役割・仕事は以下のように整理することができる。ファシリテーターが実施するファシリテーションとは『集団的コミュニケーションの建設的・支持的なプロセス』を促進することであり、組織や集団を活性化させ実際的な問題解決に向けて方向づけることも期待されている。

1.メンバー(参加者)の意見・アイデアを引き出す……ファシリテーターは自分の意見をできるだけ抑制する『中立的立場』に立って、メンバーそれぞれの意見やアイデアを能動的に聞きだそうとする。メンバーが率直で忌憚のない意見を言いやすいような『場の雰囲気づくり』を心がけ、メンバー同士の意見が激しく対立しそうな時には適切な調停・仲裁を行いながら、『メンバーから出された意見・考え・見識』をホワイトボードなどに書き出してメンバー全員の共通認識(知識・議題の共有感)を高めていく。

2.メンバー(参加者)の意見・アイデアをまとめる……参加しているメンバーそれぞれに、『自分自身の意見・アイデア』をできるだけ出してもらうように支援していき、出てきた意見やアイデアをファシリテーターが中立的視点を持ってまとめていく。ファシリテーターがまとめた意見をホワイトボードなどに書き出して、さらに『まとめた意見に対する補足・代案・反論』などがないかメンバーに質問し、『より合意できる優れた意見・アイデア』を作り上げていく。

3.集団の合意形成・相互理解を促進する……『メンバーからの率直な意見・アイデアの提示(集団の意見の網羅性)』と『複数の意見・アイデアのまとめの作業(集団の意見の集約性)』を繰り返しながら、ミーティングや集団療法の目的に合致した合意形成を進めていく。幾つかの有効な意見やアイデア、考え方がまとまってきたところで、『重要度・優先度・緊急度・実現可能性』を考慮しながら、もっとも効果的で有効と思える意見を選択していく。

カウンセリング・心理臨床などの対人援助分野でも、ファシリテーターやファシリテーションの理念(コンセプト)・実際の役割は重要なものになっているが、クライエント中心療法を創始したカール・ロジャーズは、エンカウンター・グループを進行させるリーダーのことを指して『ファシリテーター(facilitator)』と呼んだ。リーダーやトレーナー、コーチというと参加者の上位に立って指導する権威性(優位性)のイメージが生じやすいため、カール・ロジャーズは『中立性・対等性・支援性』の属性を持つ集団療法(エンカウンターグループ)の進行役のことを、リーダーではなくファシリテーター(促進者)と呼ぶように勧めたとされる。

posted by ESDV Words Labo at 05:17 | TrackBack(0) | ふ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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