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2011年12月31日

[不安(anxiety)と不安階層表(anxiety hierarchy):1]

不安(anxiety)と不安階層表(anxiety hierarchy):1

精神疾患の代表的な精神症状に『不安(anxiety)』『緊張(tension)』があるが、不安とは恐怖ほどに具体的な恐れの対象がない感情として位置づけられている。不安とは『具体的な対象がない恐れ』であり、『現実的な危険や恐怖を伴わない恐れ』として定義されている。実際的に不安が体験される時には、『もしかしたら起きるかもしれない危険・破滅の事態』がイメージされることが多いが、そのイメージしている危険や破滅、困難が現実に起こる確率は極めて低いのが特徴である。

不安が極端に強くなって日常生活が困難になったり社会経済的な不利益が出てきたりすると、『不安障害』という精神疾患になる。不安障害は19〜20世紀の精神分析では大まかに『不安神経症』としてまとめられていたが、現在では不安障害に分類される精神疾患にはさまざまな種類がある。

代表的な不安障害としては、『全般性不安障害(GAD)・パニック障害・社交不安障害(対人恐怖症)』などがある。全般性不安障害では、将来や社会、他人に対する漠然とした曖昧な不安症状が見られる精神疾患であり、日常生活や職業活動に支障を来たす『不安症状』のもっとも典型的な現れとして理解することができる。全般性不安障害の未来や周囲に対する漠然とした不安の症状は、かつての不安神経症の中核的症状であり、その不安感情に自律神経失調症の身体症状(頭痛・吐き気・めまい・手足の振るえ・胃痛)が加わることで、日常生活や仕事に大きな支障がでやすくなってしまう。

パニック障害というのは、電車・バス・建物などの他人の目がある公共空間で、“動悸・呼吸困難・大量発汗・胸痛・混乱・死や発狂の恐怖”などのパニック発作(恐慌発作)を起こす精神疾患であるが、パニック障害ではパニック発作よりも前に『予期不安』が起こることが多くなっている。

『予期不安』とは一回どこかでパニック発作を起こしたことがある人が、同じような場所・状況に直面した時に『またパニック発作が起こるかもしれない』と思う不安のことである。この予期不安の認知によって、自律神経系のバランスが交感神経優位の方向に崩れて、パニック発作が起こりやすくなってしまうので、認知療法ではこの非現実的でネガティブな予期不安の認知の修正が行われている。

『また同じような状況でパニック発作が起こるかもしれない』という悲観的な認知が強いと、自己暗示作用によって自律神経系が刺激されて再びパニック発作が起こりやすくなるが、この認知を『今度はパニック発作は起きないだろうし、起こっても死んだりおかしくなってしまうわけではない』という楽観的な認知に置き換えられるようになると、実際にパニック発作の発生頻度は大きく減少してくるのである。

posted by ESDV Words Labo at 18:37 | TrackBack(0) | ふ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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