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2012年01月20日

[ゲシュタルト療法のファンタジー・トリップ(fantasy trip)]

ゲシュタルト療法のファンタジー・トリップ(fantasy trip)

この記事は、『前回のファンタジーに関する記事』の続きになります。フリッツ・パールズとローラ・パールズの夫妻が開発したゲシュタルト療法で用いられるエクササイズの一つが、内的なイメージ(想像力)を活用してファンタジー世界を探求する『ファンタジー・トリップ(fantasy trip)』である。

ファンタジー・トリップとはそのまま『幻想の旅』を意味しているが、幻想的な内面世界を冒険したりイメージを拡大したり、意味あるメタファー(比喩)や象徴を発見したりといった『心的作業』を行うことになる。その意味では、ファンタジー・トリップにはイメージ療法の側面があるが、イメージ療法と比較すると『ファンタジーの自律性・発展性』に特徴がある。

ゲシュタルト療法のセラピストは、豊かなイメージを発展させたりイメージからの物語的な想像力を刺激するために、『暗示療法的な誘導』を行うこともある。意識を特定の方向に誘導する言語的暗示を用いた心理療法が『暗示療法(Suggestion Therapy)』であるが、催眠誘導を用いて変性意識状態(トランス状態)を作り出す『催眠療法(Hypnotherapy)』にも暗示療法としての側面がある。ゲシュタルト療法のファンタジー・トリップでは、『幻想(ファンタジー)の旅を進めていくナビゲーター=幻想・夢想の案内役』としての役割がサイコセラピスト(心理臨床家)に求められている。

ファンタジー・トリップの目的は『真の自分の欲求・感情・トラウマ』に気づいて自己変容を促進することであるが、例えば『山・海をモチーフにした幻想(夢想)』を取り扱う場合には、以下のような感じでセラピストはクライエントの幻想の世界を広げたり案内したりするのである。『その山はどのくらいの高さがあるのでしょうか。その山を登っている時の気持ちや印象を教えて下さい。山の景色や頂上からの眺めはどのような感じでしょうか。その山を登ると今の自分の何が変わるのでしょうか。その山を越えた向こう側にはどんな世界が広がっているのでしょうか』といった質問を通して山のファンタジーを物語的に拡張していく。

海の場合にも同様に、『その海はどのような色でしょうか。海にはあなた以外にどのような人がいるでしょうか。海で泳ぎたいと思いますか、それとも浜辺で日光浴をしたいですか。海にはどのような生き物がいるでしょうか。海を泳いでいくと何が見えるでしょうか。海に入るとどのような思いが湧いてきますか』といった感じで、海にまつわるファンタジックな物語をクライエントと共に作り上げていくのである。

幻想世界をイメージを通して旅していくファンタジー・トリップの目的は、本当の自分の欲求や感情、人生観に気づいて自分を変えていくことであるが、その場合には『内的なセルフイメージ(真の自己像)』から逃げずに、正面から自分のセルフイメージと向き合う必要性も出てくる。



posted by ESDV Words Labo at 12:58 | TrackBack(0) | ふ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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