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2012年03月15日

[ユージン・ジェンドリンのフォーカシング(focusing)とそのプロセス:1]

ユージン・ジェンドリンのフォーカシング(focusing)とそのプロセス:1

アメリカの心理学者ユージン・ジェンドリン(Eugene T. Gendlin, 1926年-)が開発した『フォーカシング(focusing)』は、身体感覚や内的経験の持つ『心身の回復効果・身体と感情のつながり』に着目したソマティック(身体的)なカウンセリング技法である。

アレン・アイビーのマイクロカウンセリングにも同じ名前の『フォーカシング(focusing)』という技法があるが、これはカウンセリングのセッションで特定の問題状況や心理状態を取り上げて焦点づけするという方法であり、E.T.ジェンドリンの身体性を有効活用するフォーカシングとは異なる。

フォーカシングは『体験過程理論に基づく体験過程技法』と呼ばれるように、自分が実際に内的に感じている身体感覚が全てであり、他のカウンセリングのように記憶や言語に基づいた分析・解釈は重視していないのが特徴である。フォーカシングの具体的な過程は、以下の6段階(6つのステップ)によって成り立っている。

1.空間を作る……クライエントが落ち着いてリラックスすることができるカウンセリング環境の整備という意味だけでなく、『気になっていること・悩んでいること』を思い浮かべてみてどんな身体感覚を感じるのかを確認するという意味がある。

2.フェルトセンスを感じる……フェルトセンスとは身体内面において感じる身体感覚であり、意識的に内面に注意を向けることによって気づくことができる『特別で重要な意味があるような感じ』である。身体感覚としてのフェルトセンスは、意識と無意識の中間領域で形成されると考えられており、『言語・イメージ』によっては代替的に表現することができないものである。

3.ハンドルをつかむ……フェルトセンスは言語化やイメージ化が困難な身体感覚ではあるが、できるだけその身体感覚を表現するのにぴったりとした言葉・イメージを探してみる。そのフェルトセンスに対応する言葉・イメージのことを『ハンドル』と呼んでいる。

4.フェルトセンスを共鳴させる……内面に注意を向けて感じた身体感覚に、ハンドルの言葉やイメージを重ね合わせてみて、『感覚(感じ)とハンドルの共鳴』を体験してみる。

5.フェルトセンスに問いかける……今、正に自分が実感しているフェルトセンスにどのような重要な意味が込められているのかを、自分で自分に問いかけてみる。

6.新たな気づき(成長的な感覚)を受け取る……ハンドルを見つけたり、フェルトセンスの共鳴を体験したり、フェルトセンスに問いかけてみたりするプロセスを通して、『心地よく開放的で、自分にぴったりとする感じ』に行き着くことができる。この新たな気づき・成長できる感じを受け取ることが、ジェンドリンが考案したフォーカシングの目的でもある。

上で書いたのは、E.T.ジェンドリンが自身のフォーカシング技法の内容を説明するために用いた『6段階』であるが、同じくフォーカシングを実践したアンワイザー・コーネル(Ann Weiser Cornel)はそのプロセスを以下の『5段階』にシンプルに分類している。

1.身体の内側に意識・注意を向ける。

2.フェルトセンスを見つけたり、引き寄せたりする。

3.ハンドル(フェルトセンスに相当する言語・イメージ)を見つける。

4.フェルトセンスと一緒にいる。

5.その身体感覚を感じるのを終わる。

posted by ESDV Words Labo at 02:30 | TrackBack(0) | ゆ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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