ウェブとブログの検索

カスタム検索





2012年05月05日

仏教思想と仏教カウンセリング(Buddhist counseling)2:真理を把握するための『四法印』の教義

仏教思想と仏教カウンセリング(Buddhist counseling)2:真理を把握するための『四法印』の教義

この記事は、[前回の仏教カウンセリングの項目]の続きになります。 仏教は古代インドの伝統的なヒンドゥー教の世界観である『輪廻転生の概念』を刷新した思想でもある。ヒンドゥー教が想定する輪廻の主体である『永遠不滅の魂(アートマン)』の実在を、『諸法無我・般若心経などに見る空の思想』によって否定しており、この世に永遠不滅の実在などは存在しないという『色即是空・空即是色』を提唱した。

すべての存在は、人間の認識と相互の関係性によって成り立っているとするのが仏教の世界観であり、輪廻そのものも生命が死んだ後に起こるのではなく生命が生きているその最中にも展開されているとした。

仏教は、仏陀の教えや説話に従って精神的な安らぎや苦悩の癒しを求めようとする宗教であるが、真理の正しい理解や世界の実相である諸行無常の洞察によって、『生きることの苦しみ・迷い』を離脱しようとする認知療法的な側面を持つ方法論の集積でもある。キリスト教やイスラム教といった一神教では『帰依・祈りを通した神による救済』を求めているが、仏教では阿弥陀如来を信じて念仏(題目)を唱える浄土信仰のような一神教の救済に似たものもあるが、基本的には『悟り(解脱)を目指す自己実践による救済』を目指す型の宗教になっている。

釈迦(仏陀)は悟りを開いて煩悩を消尽し、苦悩を克服するための道筋・方法として以下のような『四諦』『八正道』を定義した。『四諦八正道』は、仏教の根本教義(奥義)である『四法印』を踏まえた真理・悟りに到達するまでの道のりと方法をまとめたものでもある。

四法印

諸行無常……この世に永遠に変わらない実在は存在せず、全ての事象と事物は移り変わり過ぎ去って滅んでいくという真理。

諸法無我……永遠・普遍の確固とした自我などは存在せず、実在しているように感じる自我は他との関係性のみによって生じるものだという真理。

涅槃寂静……煩悩・執着が吹き消されて消滅した絶対的な平静と安楽の境地であり、仏教が目指している究極の理想でもある。

一切皆苦……この俗世と人間の人生はあらゆる苦(四苦八苦)によって満ちているという真理。

これは仏教が『死後の世界(天国と地獄)』『観念的な問題』よりも、今現在の人間が直面している『現実的な悩み・苦しみ』の解決のほうを優先したことの現れでもある。仏教の涅槃寂静と精神分析、古代ギリシアのエピキュリアンとの関係を知りたい方は、[S.フロイトの精神分析の『涅槃原則』とエピクロスの『アタラクシア』の快楽]の項目も合わせて読んでみて下さい。

posted by ESDV Words Labo at 06:54 | TrackBack(0) | ふ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック