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2012年06月05日

不定愁訴(indefinite complaint)と自律神経失調症・更年期障害:3

不定愁訴(indefinite complaint)と自律神経失調症・更年期障害:3

この記事は、[前回の項目]の続きになります。 自律神経失調症による『不定愁訴の心身症状』の種類と程度はさまざまであり、特定の症状だけが持続的に出ることもあれば、複数の症状が間欠的に出現してその症状の組み合わせが変わることもあって掴みどころがないものである。自律神経失調症・更年期障害などで患者が訴えてくる不定愁訴は個人差も非常に大きいのだが、その代表的な症状を列挙すると以下のようになる。これらの症状は『血液検査・レントゲン撮影・CTスキャンやMRIなど画像診断・心電図・血圧測定』などの医学的検査を行なってもその原因(はっきりした身体的所見)を特定することができないものである。

1.全身症状

疲労感、倦怠感、疲れやすさ、ほてり・のぼせ(ホットフラッシュ)、動悸・息切れ、大量発汗、皮膚の炎症やかゆみなど。

2.感覚器の異常

嗅覚の異常、味覚の異常、メニエール病(耳鳴り・めまい)、視覚の異常(モノがぼやける、二重に見える)、唾液分泌の異常、口内の乾燥、眼球の乾燥など。

3.手足・首・肩の症状

首や肩、背中などのコリ、手足のしびれや麻痺、手足に起こる冷え症など。

4.消化器の症状

食欲不振、胃痛、胸焼け、胃もたれ、頻尿、便秘・下痢など。

5.泌尿器・生殖器の異常

残尿感、頻尿、血尿、月経異常(無月経)、性欲低下(インポテンツ)、性交痛(痛みによる性交困難)など。

その他の症状

頭痛、頭重、めまい、易怒性、イライラ、不安感、情緒不安定、抑うつ感、睡眠障害、喉に何か詰まった感じ(喉の異物感)など。

『自律神経失調症による不定愁訴』の原因の多くは、精神的ストレスや疲労の蓄積、過労の持続によって引き起こされると考えられているが、それ以外にも、生活環境の変化(転居)や仕事上の責任・緊張の増加、季節の影響(冬期うつ病のような季節性)が関係して自律神経系のバランスが乱れているのではないかとされている。不定愁訴は自律神経失調症だけではなく、加齢・ストレスによって女性ホルモンの分泌が減ったり月経が止まったりすることで発症する『更年期障害(Postmenopausal syndrome:PMS)』とも非常に深い関わりがあり、不定愁訴の主観的な訴えそのものが男性よりも女性に圧倒的に多いのである。

不定愁訴の不調の訴えは、一般的に『自律神経失調症・更年期障害(女性ホルモン減少)・心身症』によって生まれるとされているが、それらの原因になっているのが人間関係や家族生活、社会生活、職業活動などにまつわる精神的ストレスである。

しかし、その基盤には『遺伝的体質・気質や性格傾向』の要因もあると考えられるので、同じようなストレス刺激やストレス状況に置かれたとしても、不定愁訴の心身症状が激しく出る人もいればほとんど出ない人もいるのである。この部分は、精神疾患全般の発症メカニズムの仮説として提起されている『素因・ストレスモデル』『生物・心理・社会モデル(bio-psycho-social model)』とも関係しているのである。

posted by ESDV Words Labo at 01:05 | TrackBack(0) | ふ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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