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2012年07月04日

プライマリー・ケア(primary care)とかかりつけ医の地域医療:1

プライマリー・ケア(primary care)とかかりつけ医の地域医療:1

現代医療は高度な専門化・細分化の役割分担が進んでいて、自分が専門的に学んできた“身体各部の特定の器官・疾患”だけを診て治療するという専門医(スペシャリスト)が増えている。専門医は自分の専門外の器官・疾患を診る事が殆どなく、専門ではない病気(患者)に対しては『他の専門医』に紹介するという選択をすることが多いが、そのことが『気軽に健康・病気の一般的な相談に乗って欲しい』という患者のニーズに応えられない問題を生み出している。

プライマリー・ケア(primary care)というのは、患者のさまざまな健康上の悩みや病気、不安に対して親身になって応えてくれる『地域密着の総合的・継続的な医療』の事である。患者の身体と精神、生活環境、人間関係を総合的に診るというだけでなく、一人の人間としての患者に長く継続的に付き合っていくという意味も、プライマリーケアには込められている。

プライマリー・ケアは病気の身体要因(身体器官の異常)だけに着目するのではなく、精神要因や環境要因(ストレス因子)も合わせて考える“全人医療”であり、『家庭医制度(かかりつけ医制度)』の基盤にあるべき身近で安心できる医療を目指すものでもある。

プライマリー・ケアは本来、専門医も含めた全ての臨床医に必要とされる『幅広い医学的な知識と経験に基づく患者のケア(患者との向き合い方)』であり、地域の保健医療福祉制度を効果的に活用するために欠かせない“良好な人間関係(ラポール)”をベースにした全人的・総合的な医療の指針である。各専門診療科ごとに細分化された『専門医(スペシャリスト, specialist)』に対して、プライマリー・ケアを専門にしている医師は『総合医(ジェネラリスト, generalist)』と呼ばれることもある。

この総合医とは『家庭医・かかりつけ医(かつての町医者のような存在)』のことを意味することが多いが、地域で身近にいてどんな症状(不調)でも診察してくれ、気軽に健康上・精神上の悩みの相談にも乗ってくれるような医者のことである。総合医は全身の状態や心理的な悩みを診てくれるかかりつけ医として“General Practitioner(GP)”と呼ばれたりもするが、『総合診療科・総合内科医』などを標榜している事もある。

特定の疾患だけを集中的に治療しようとする専門医療に対して、プライマリー・ケアは患者を『一人の感情・日常生活(人間関係)を持った人間』として取り扱うことに力点を置いており、病気以外の環境の不満や今後の不安、人間関係の悩みなどの相談についても積極的に耳を傾けようとする。もちろん、総合医は自分ひとりだけで身体と精神のすべての疾患を専門的に治療できるわけではないので、大怪我の重症や深刻な病状などの緊急事態が起こったり、自分だけでは治療できない難しい病気を診察した時には、『他の最適な専門医』を進んで紹介することになる。



posted by ESDV Words Labo at 23:49 | TrackBack(0) | ふ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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