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2012年08月01日

プラグマティズム(pragmatism)1:チャールズ・サンダース・パース

プラグマティズム(pragmatism)1:チャールズ・サンダース・パース

19世紀後半にアメリカで誕生したプラグマティズム(pragmatism)は、『実用主義・実際主義・道具主義』などと翻訳されるが、ギリシア語の“pragma(行為・行動)”が原義でありイギリス経験主義の系譜を汲んでいる。プラグマティズムは『観察・経験が不可能な事象(観念・概念そのもの)』の真理を探求することは無意味であるとする立場であり、実際に行動・経験してみることでその結果に『有効性(実際の効果)』があるかどうかを重要視する。

プラグマティズムは観念的な行動を伴わない『形而上学』を否定する思想であり、『物事の真理・思考(観念)の意味』を実際の行動・経験(観察)の結果から判断して、『効果のある事(有効性のある事=実際に起こった事)』を真理として認定するものである。近代哲学の伝統的な手法である『思考・内省(反省)』を批判して、『行動の結果・経験の内容』によって思考や概念の妥当性(正当性)を検証しようとするプラグマティズムは、近代科学(実証科学)の成立及び方法論に非常に大きな影響を与えた。

物事の真理や観念の意味を、『(行動を伴わない)合理的な思考・反省』のみによって明らかにしようとする近代以前の哲学に対して、『経験的な行為(実践)・観察(実験)』によって真理(意味)を明らかにしようとするプラグマティズムは、近代科学(実証科学)の方法論の基礎づけになる思想でもあった。プラグマティズムの歴史は、1870〜74年にマサチューセッツ州・ケンブリッジで設立された私的な『形而上学クラブ』に起源があり、そのメンバーにはチャールズ・サンダース・パース、ウィリアム・ジェームズ、ジョーゼフ・ウォーナー、ニコラス・セイント・ジョン・グリーン、チョーンシー・ライト、オリバー・ウェンデル・ホームズ・ジュニアらがいた。

プラグマティズムの創始者に位置づけられることが多い記号論の研究でも知られるチャールズ・サンダース・パース(Charles Sanders Peirce, 1839-1914)は、『観念の意味は行為を抜きにしては考えられない』とするテーゼを提唱して、“プラグマティズム(pragmatism)”という言葉(概念)を初めて使ったとされている。

1878年の『ポピュラー・サイエンス・マンスリー』誌で、パースは『私たちの概念の対象が、概ね行動への影響を有しているか、どのような効果を持つことができるかについて、慎重に考えよ。そうすれば、これら行動の効果について私たちが持っている概念は、その対象物について私たちが抱いている概念そのものと同じになる』というプラグマティズムの格率(行為規範)を発表しているが、この格率は意味不明瞭かつ理解困難であったため、思想界に幅広く普及することは無かった。

posted by ESDV Words Labo at 17:25 | TrackBack(0) | ふ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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