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2012年09月12日

プリ・セッション(pre-session)

プリ・セッション(pre-session)

プリ・セッション(pre-session)とは、集団的なカウンセリング・心理療法(サイコセラピー)のセッションの前に実施するセッションの事である。本番のカウンセリングの前に行われる事前説明や打ち合わせ、話し合いなど『準備的なセッション』のことを指して、プリ・セッションと呼んでいる。プリ・セッションを実施する事によって、集団療法に参加しているメンバー達の間に、打ち解けた雰囲気や自然な信頼感を生み出しやすくなり、その後の集団カウンセリング(集団精神療法)へとスムーズに移行していく事ができる。

本番のスポーツ競技をする前に、筋肉をほぐしたりリラックスしたりするために『ウォーミングアップ運動』が行われる事があるが、それになぞらえて『ウォーミングアップセッション』という呼び方をすることもある。あるいはプリ・セッションの社交的かつ雑談的な会話内容から、単純に『待合室セッション』と呼んだりもする。ウォーミングアップにせよ待合室の雑談にせよ、プリ・セッションをする目的は『集団精神療法のメンバーの緊張感・警戒感の緩和』『クライアントの心理的力動の把握』にある。

上記したように、プリ・セッションは通常、『個人精神療法(個人カウンセリング)』ではなく『集団精神療法(集団カウンセリング,エンカウンター)』に対して実施されるもので、カウンセラー(セラピスト)やファシリテーターは参加しない事になっている。プリ・セッションは集団精神療法に参加しているメンバーが自発的に集って、楽しく会話をしたり意見交換したりお互いに感想を述べ合ったりという形を取るが、それは人工的なものではなく自然発生的なものである事が望ましい。

プリ・セッションの会話内容には、集団力動(グループ・ダイナミクス)や個人の心理的力動が投影されやすくなり、メンバー同士の相互理解や相互扶助をより深い次元に導くのにも役立つのである。集団全体の心理的な調整機能を担っているわけだが、本番の集団精神療法のセッションの前に実施する事で、参加しているメンバーのカウンセリング(自己表現的・共感的な対話)に対する動機づけを高める事ができる。

posted by ESDV Words Labo at 04:39 | TrackBack(0) | ふ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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