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2006年12月09日

[オーストリッチ・コンプレックス(ostrich complex)][オピニオン・リーダー(opinion leader)]

オーストリッチ・コンプレックス(ostrich complex)

グッチ(GUCCI)やクリスチャン・ディオール(CD)、エルメス(Elmes)などの高級ブランドバッグにオーストリッチ(ostrich)があるが、オーストリッチとは駝鳥(ダチョウ)のことである。アメリカの心理学者エリオット・ワイナー(E.Weiner)は、ダチョウのような依存的かつ逃避的な問題回避行動を取るダチョウ的な人間の持つコンプレックス(感情複合体)のことを『オーストリッチ・コンプレックス(ostrich complex)』と呼んだ。

『頭隠して尻隠さず』という諺(ことわざ)があるが、鳥類のダチョウには、危機や困難が自分に差し迫ってくると、頭を地面や砂地の砂に突っ込んで危機をやり過ごそうとする本能的な習性がある。頭だけを砂に突っ込んで外敵から隠れたつもりでも、実際には巨大な身体(尻)は隠れていないという意味で、このダチョウの危機回避行動(問題解決行動)はアドホック(その場凌ぎ)で無意味なものである。このダチョウのアドホックな危機回避行動に類似した、本質的に無意味な「逃避的防衛」によって問題を避けようとする性格行動パターンを『オーストリッチ・コンプレックス』と呼ぶのである。

現代社会では仕事・勉強・家族生活・人間関係にまつわる不快なストレスが満ち溢れており、ストレス性疾患や精神疾患、適応障害を発症するリスクが高くなっている。人間は、このようなストレス社会では『何とか問題や困難を先延ばしして、自然消滅するのを待ちたい』というオーストリッチ・コンプレックスの心理状態に陥りやすくなってしまう。つまり、砂に頭を突っ込んだダチョウのように、自然な時間経過と共に、問題や危険が過ぎ去ってくれるのを待とうとするのである。

オーストリッチ・コンプレックスの特徴は、『完全主義・拒否・引き延ばし・収集』であるが、全ての課題や問題を完全にやりこなそうとすると、『完全に上手くいかなければ無意味である』という逃避的な行動パターンに嵌まり込んでしまう。また、小さな問題を引き延ばして後で片付ければいいと思ってしまうと、小さな問題が無数に蓄積して簡単に片付けることなど不可能になってしまう。また、些細な困難や小さな異常を放置しておくと、往々にして事態が悪化して大変なことになってしまう。

オーストリッチ・コンプレックスに従って性格行動パターンは事態をより悪化させ問題をより複雑にしてしまうので、小さな問題や面倒な仕事から逃避せずに正面から向き合わなければならない。完全主義に凝り固まり過ぎると何も手につかなくなるので、コツコツと出来る範囲で仕事や問題を片付けていくことが大切である。『完全に仕事や用事が出来ないから意味がないのではなく、小さな仕事さえもせずに問題を放置することこそ意味がない』のである。

オピニオン・リーダー(opinion leader)

所属社会の問題に対する世論形成や政治的な意志決定に大きな影響を与える人物のことを『オピニオン・リーダー(opinion leader)』と呼ぶ。オピニオン・リーダーは社会環境における不特定多数の意見や主張に影響を与えることが出来るが、必ずしも政治権力や職業的地位が高いわけではない。オピニオン・リーダーは、政治・経済・司法・歴史・ファッション・芸能・スポーツ・流行している商品など特定の領域について深い教養(知識)や造詣、関心を持っていることが多く、その分野で『その人が言っているのだから信用できる・あの人が真剣な思索をもとにして語った意見であれば一理ある』と思われている人物のことである。

オピニオン・リーダーは、広範多岐な分野に及ぶ関心や知識を持ったジェネラリスト(総合的知識人)である場合も多いが、政治経済やファッション、テレビ芸能など特定の分野だけに深く精通したスペシャリスト(専門家)であることもある。オピニオン・リーダーは自分が主張しようとしている分野のあらゆる情報源に通じている場合が多いのだが、最近では、テレビや新聞、ラジオといった従来のマスメディアだけではなく、インターネットの大手のサイトや掲示板、ブログの口コミ情報などもチェックしていることが多いが、一般的には、テレビや新聞といったマスメディアを通して影響力を行使できる人物でないとオピニオン・リーダーとなるのは難しい。

価値観や趣味、コミュニティが多様化している先進国の現代文明社会では、少数のオピニオン・リーダーの意図的な発言や扇動によって国民の世論形成を誘導したり意志決定を操作することは基本的に不可能である。その意味で、マスメディアの情報源に偏っていたかつての時代(インターネットの普及した情報化社会以前の時代)よりは、政治的なファシズム(全体主義)に陥る危険性は低下したし、独裁者による扇動的な演説が効果を発揮する余地は小さくなった。

現代社会でオピニオン・リーダーと呼ばれている典型的な人物像は、有名な芸能人やスポーツ選手であり、著名なニュースキャスターや人気の高い漫画家(ドラマの脚本作家)である。かつて、世論形成や意志決定に大きな影響力を振るっていた政治家や知識人、作家などは、昔に比べると相対的にオピニオン・リーダーとしての地位を低下させている。



ラベル:心理学 政治学
posted by ESDV Words Labo at 18:44 | TrackBack(0) | お:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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