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2012年09月18日

プログラム化社会(programmed society)

プログラム化社会(programmed society)

現代社会は“学校教育・企業雇用・社会保障制度・情報機器”などによって、個人の人生の大枠が管理されて規定されている社会であり、何歳でどのような活動をしているのかの予測可能性が高まっているという特徴がある。6歳で小学校に入学して15歳で義務教育の中学校を卒業し、それぞれの学力水準に応じた高校・大学へと進学して、就職活動(就活)や職業訓練(資格取得)をして企業・官庁に就職して働き始めるというオーソドックスな人生プロセスの流れが決まっているようなイメージで理解される。

国民健康保険(企業の社会保険)や公的年金に強制加入させられる事で、更に『個人の健康管理・老後の生活設計・人生の終幕』までが事前にプログラムされているようなシステマティックな社会のことを『プログラム化社会(programmed society)』と呼んでいる。制度や規則、情報、企業(組織)によって作り上げられるプログラム化社会とは、高度な管理主義社会(情報化社会)であると同時に、国民を揺り篭から墓場まで計画的に保護しようとするパターナリズム社会でもある。

プログラム化社会は『産業化・情報化・管理化・教育訓練』によって形成された社会であり、『社会成員の計画的に安定した人生を生きたいという欲求・不安や失敗のないプロセスを準備して欲しいという願望』によって再帰的に強化されていくものである。プログラム化社会の最大の特徴は、社会成員の『自分の将来の予測可能性』が高まるという事であり、その現れの一つが『終身雇用制度・年功賃金制度・公的年金制度』であったが、近年ではこれらの予定調和的な制度設計が崩れてきて、将来のプログラムが描きにくくなっている。

管理主義的なプログラム化社会のメリットは、『個人の人生の予測可能性(全体の見通し)が高まる事・計画された人生のレールを安定的に進める事』であるが、逆にそのデメリットとして『計画された人生のレールを外れた場合のやり直し(再チャレンジ)が効きにくい事・個人の自由な自己実現が阻害されやすい事』が上げられる。

プログラム化社会では、その年代で達成すべきと考えられている課題(ライフイベント)に失敗した時のやり直しがしにくいが、その典型的な事例として『就活に失敗した学生の精神疾患や自殺・企業をリストラ(懲戒解雇)された中高年社員のうつ病や自殺』などがある。プログラム化社会のプログラムそのもののエラーとしては、少子高齢化社会の進展による社会保障(年金・医療・介護)の財源の不足、経済のグローバル化による終身雇用制度(安定雇用環境)の崩壊、若年層の失業率上昇(非正規雇用率の増加)による社会保障からの疎外などもある。

2012年現時点においては、『プログラム化されていたはずの経済社会・社会保障制度』が上手く運営できない状況やそのプログラムから逸脱する個人も多くなってきているが、『事前にプログラムされた計画的な人生(不安や失敗のない安定した人生設計)』を歩む事が難しくなっている。



posted by ESDV Words Labo at 23:48 | TrackBack(0) | ふ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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