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2012年11月02日

[碧巌録(へきがんろく)]

碧巌録(へきがんろく)

『碧巌録(へきがんろく)』は11世紀の中国・北宋時代に、禅僧の圜悟克勤(えんごこくごん,1063-1135)によって編集された禅宗の仏教書であるが、その原案となったのは宋の禅僧・雪竇重顕(せっちょうじゅうけん,980-1052)が書いたとされる『雪竇頌古(せっちょうじゅこ)』である。碧巌録はその別名を『仏果圜悟禅師碧巌録・碧巌集』とも言うが、日本では特に栄西が起こした臨済宗において尊重されている代表的な公案集である。全10巻の大著である。

詩才や学問、故事に優れていた雪竇重顕は、『景徳伝燈録(けいとくでんとうろく)』という先師の事績や思想を書き残した記録1700話の中から100話(古則百則)を選出して、それに頌古という韻文の漢詩を付け加えて『雪竇頌古(せっちょうじゅこ)』を作成した。『頌古(じゅこ)』というのは、古則(禅の公案)に禅の宗旨を込めた頌(漢詩の韻文)を付け加えたものの事である。

北宋後期に禅僧の圜悟克勤(えんごこくごん)が登場して、雪竇重顕が選出した公案百則に、『垂示(序論的批評)』『著語(部分的短評)』『評唱(全体的評釈)』を加えたものが、『碧巌録・全10巻』の禅宗の教典なのである。達磨大師を始祖とする禅宗で、悟りに至る方法としての『公案』を初めに提唱し始めたのは、圜悟克勤の師でもある五祖・法演(ほうえん,生年未詳‐1104)であった。圜悟克勤は達磨大師の時代から智門の時代まで遡って、公案百則の『雪竇頌古』を縦横無尽に評価・鑑賞することで、大著である『碧巌録』を編纂したのである。

圜悟克勤の『碧巌録』の構成は前述したように、『垂示(序論的批評)』『著語(部分的短評)』『評唱(全体的評釈)』から成っているのだが、『垂示』というのは公案を読む場合の心構えを説いた部分であり、その後に雪竇が選出した公案を提示してまずは自分の頭で考えさせ、最後に圜悟克勤が公案の部分と全体についての評論を行っている。『著語』とは、公案の一句一句につけられた圜悟の寸評である。『評唱』というのは、公案全体に対する禅宗的な解釈・評価・批評とでも言うべき部分である。

禅宗の教義や悟り、理論について興味がある方は、『禅宗の十牛図』『「不立文字・教外別伝」を基本思想とする禅宗の歴史』の項目も参照してみて下さい。



ラベル:仏教 哲学 禅宗 思想
posted by ESDV Words Labo at 23:02 | TrackBack(0) | へ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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