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2012年12月13日

[レフ・ヴィゴツキー(Lev Semenovich Vygotsky):2]

レフ・ヴィゴツキー(Lev Semenovich Vygotsky):2

短命の天才的な心理学者だったが、アレクサンドル・ルリヤやアレクセイ・レオンチェフなどの後進の心理学者の教育・育成にも尽力しており、ソ連心理学会の一つの盛期を作った人物でもある。L.ヴィゴツキーの“外言(外語)・内言(内語)”の概念を用いた言語発達理論(言語獲得理論)が、発達心理学と教育心理学の分野に与えた歴史的影響は非常に大きい。

『外言(外語)』とは外に向かって声(言葉)を出して話す言語のことであり、『内言(内語)』とは内に向けて声(言葉)を出さずに独り言として話す言語のことである。『外言(外語)』は他者とのコミュニケーションツールとしての言語であり、『内言(内語)』は自分自身の内面で物事を思考するための言語である。L.ヴィゴツキーはJ.ピアジェとは逆の発想で、幼児は独り言のような『外言』から次第に思考の道具としての『内言』を獲得していくという言語・思考の発達プロセスを考えた。

ジャン・ピアジェの思考発達理論(認知発達理論)では、未熟な乳幼児は『感覚的→具体的→抽象的・論理的という次元の思考能力』をはじめに発達させてから、他者とのコミュニケーション能力を発達させるという順番を考える。

しかし、レフ・ヴィゴツキーは、未熟な乳幼児はまず『外言(外語)』で親に何かを話しかけてみて、親の反応や態度を見ながら言語能力を発達させていくという風に考えた。その外言によるコミュニケーションとその理解が内面化していくことによって、内言(内語)を用いる自省的な思考能力が発達していくというのがヴィゴツキーの基本的な言語観である。L.ヴィゴツキーは『コミュニケーションの道具である“外語”から思考の道具である“内語”へ』という順番で言語の発達を捉えたという事になる。

ヴィゴツキーの言語発達論は、人間個人の独立的な精神活動である『思考』を取り扱ったものであるが、それ以上に古代ギリシアのアリストテレス以来の『社会的動物としての人間』を原点に据えている。そのため、自己と他者との相互的な精神活動である『コミュニケーション(音声言語の交換)』こそが人間の言語能力の始点として重視されている。人間は『社会的・対人的な環境条件』があってこそ健康で正常な『心身・知能・言語の発達』が可能になるというわけである。

この記事の内容は、『レフ・ヴィゴツキー(Lev Semenovich Vygotsky):1』の続きになっています。



posted by ESDV Words Labo at 23:37 | TrackBack(0) | う:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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