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2007年01月06日

[マイクロカウンセリングの心理面接における解釈(interpretation)と意味の反映技法]

マイクロカウンセリングの心理面接における解釈(interpretation)と意味の反映技法

アレン・E・アイビィ(A.E.Ivey)が開発したマイクロカウンセリングとは、クライエントがカウンセラーに訴える心理的問題の『種類・性質・深刻度』に合わせて、複数の技法や理論を柔軟に適用していく折衷型のカウンセリング理論である。アイビィは、自己の「理論の正統性」や「技法の有効性」に固執する派閥的なカウンセリングを否定し、クライエントの問題解決を促進する理論や技法であれば何でも積極的に活用すべきだという開放的な思想の持ち主であった。

マイクロカウンセリングの根底にある基本的な理念とは、『クライエントの問題を解決しようとする積極的な意図』であり、その意図(intention)に着目してマイクロカウンセリングを語る場合には『意図的カウンセリング』と呼ぶこともある。マイクロカウンセリングの魅力は、多種多様な症状や問題に対応できる「柔軟性のある応用範囲の広さ」であり、クライエント個々人の個性や考えに最大限の配慮をしようとする「多様性を前提とする人間理解の深さ」である。

色々な悩みや問題を抱えている幅広いクライエント層に対応できることから、アレン・アイビィのマイクロカウンセリングを標準的なカウンセリング技法と考える人もいる。確かに、マイクロカウンセリングの主要構成要素である『言い換え技法・明確化技法・意味の反映技法』などは、他の心理療法(カウンセリング理論)の面接構造でも一般的に用いられるものであり、クライエントへの共感的な態度を明らかにし、クライエントの発言の正確な理解を促進するものである。

マイクロカウンセリングでも前の記事で書いた精神分析療法と同じように、『解釈(interpretation)』の要素(技法)がクライエントの問題解決(症状改善)にとって非常に重要な役割を果たしている。一般的なカウンセリングで実施される『解釈(interpretation)』は、アイビィが実践的な定義を行った『意味の反映技法(reflection of meaning) 』と深い関わりがあるとされる。肯定的な認知スキーマの再体制化を促進する意味の反映技法とは、『外部の出来事や他者との関係性の主観的な意味』を治療的に洞察させようとするものである。

意味の反映技法では『主観的体験の多様性』を前提としているので、『あなたにとってその出来事はどのような意味があるのですか?あなたにとってその人との人間関係は価値のあるものですか?』という質問形式を採用することが多くなる。意味の反映技法を効果的に活用することによって、『クライエントにとって有意義な経験』と『クライエントにとって無意味な経験』とが明確化されるようになり、自分自身の感情と他者との人間関係、社会的な責務に関する「洞察」をより深めることが出来る。自分・他人・状況・社会を正確に合理的に認知して今までとは違う適応的な行動につなげることで、『治療的な行動・人格・対人関係の変容』が起こることになる。

マイクロカウンセリングの目的とはクライエントの特性に適合した各種の技法を駆使して、『治療的な行動・人格・対人関係の変容』を促進することであり、治療的な変容によって、クライエントの問題状況を解決し精神症状を改善することである。『意味の反映技法』と相互補完的に作用する『解釈(interpretation)』とは、クライエントの精神的苦悩や不適応状況、悩み事の内容を『言語的に再定義すること』であり、共感的な態度を示しながら『新たな観点と認知を示唆すること』である。

カウンセリング全般において『解釈(interpretation)』は、クライエントとカウンセラーの『自己洞察・状況認識・人間理解』を促進するものである。マイクロカウンセリングでは、会話内容に対して「言い換え技法」を用い、感情的意味づけに対して「意味の反映技法」を用いることで、「心理・状況・関係・問題・根拠(理由)に対する解釈」をより正確で有意義なものとしていく。



posted by ESDV Words Labo at 03:57 | TrackBack(0) | か:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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