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2013年01月06日

[弁別訓練(discrimination training)と広汎性発達障害の診断・療育:2]

弁別訓練(discrimination training)と広汎性発達障害の診断・療育:2

精神分析療法を含む広義のカウンセリングでは、『弁別学習(discrimination learning)』と共に『弁別訓練(discrimination training)』がカウンセリングの大きな課題になってくる。カウンセラーや心理臨床家(精神分析家)の実施する情報提供・心理教育において取り上げられる『弁別訓練』というのは、『クライエントが自分ひとりの努力や休養で問題解決できる状況』『誰かの支援を受けなければ問題解決ができないシビアな状況』とを見極めて区別するためのトレーニングであり情報提供(心理教育)のことである。

現在の日本の精神医療や心理臨床、カウンセリングの現状では、『精神医学的な治療と生活指導・心理学的な援助(心理療法及びカウンセリング)・心理アセスメント(心理テスト)』が必要と思われる人たちでも、その治療や援助、アドバイスの機会を得られないまま、放置されてしまっているという問題がある。弁別訓練とは精神医療や心理臨床、学校教育、社会福祉(精神保健福祉)などの領域において、それぞれの個人が『自分ひとりで対応できる問題』と『専門家や制度の援助を受けなければ解決できない問題』とを正しく識別できるように情報公開や心理教育、定期検診などを通して導いていく事である。

特に近年では、自閉症スペクトラムやアスペルガー症候群などを含む『広汎性発達障害(PDD)』の子どもが適切な発達障害の診断や矯正教育(療育)を受けないままに大人になり、複雑な人間関係(共感的な社会性・双方向の言語能力を要するコミュニケーション場面)が絡んでくる学校・就労の集団生活に適応できなくなる深刻な問題が増えているという。

広汎性発達障害では、一般的な社会環境(人間関係)に上手く適応できない事による暴力や犯罪、過度の興奮などの『二次障害』を抑えるためにも、『早期発見(早期診断)・早期対応(早期療育)』が有効であるとされている。自分が広汎性発達障害や自閉症スペクトラムである事を知らないままに大人(青年期・成人期)になってしまった人は、理由や原因が分からないままに『社会環境での生きづらさ・集団生活への不適応・感情的なパニック・コミュニケーションの障害・他者との深刻なトラブル』に悩み続けていたりもするので、そういった苦悩や絶望を減らすためにも情報提供や教育機会を応用した弁別訓練が必要になってくる。

弁別訓練というのは、各種の精神障害・発達障害に対して診察や治療、教育を求めているクライエントだけに行われるものでは無論ない。そういったクライエントの悩み・訴えのニーズを正確に見極めて対応しなければならない精神医学・臨床心理学(発達心理学)の専門家もまた、『専門知・臨床経験・共感感情に裏付けられた弁別訓練』をしていかなければならないのである。この記事の内容は、『弁別学習(discrimination learning)と弁別訓練(discrimination training):1』の続きになっています。



posted by ESDV Words Labo at 12:44 | TrackBack(0) | へ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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