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2013年01月07日

[エドムンド・ウィリアムソン(Edmund Griffith Williamson)と特性因子理論]

エドムンド・ウィリアムソン(Edmund Griffith Williamson)と特性因子理論

エドムンド・ウィリアムソン(Edmund Griffith Williamson,1900-1979) は日本における知名度やその理論の有名さでは、カール・ロジャースに遠く及ばないが、20世紀のアメリカのカウンセリング心理学の確立に大きな貢献をした心理学者である。特に、思春期・学生期にあるクライアントの『発達心理学的な問題・進路選択上の悩み』などに関心を持っており、当時のアメリカでも殆ど馴染みがなかった『学校カウンセリング・学生心理相談』の分野を発展・普及させた。

C.ロジャーズは『徹底的な傾聴・共感的な理解・無条件の肯定的尊重』をベースにした非指示的カウンセリングを実践して、クライアントの潜在的な実現傾向を促進しようとしたが、それと比較するとエドムンド・ウィリアムソンはより科学的(客観的)あるいは医学的(診断学的)なシステムに準拠したカウンセリングを目指していたとも言われる。性格心理学におけるパーソナリティ研究(人格構造・性格傾向の研究)にも取り組んでおり、『特性因子理論的な立場』に立った統計的根拠のある分析的かつ診断的なカウンセリングの可能性を追究したのである。

エドムンド・ウィリアムソンの理想とした客観的な基準や統計的な根拠のあるカウンセリングとは、『心理テスト・心理アセスメントの結果を用いたカウンセリング』のことであり、心理テストを実施する必要は乏しいとしたカール・ロジャーズとはその点でも対照的である。E.ウィリアムソンが依拠した特性因子理論とは、個人のパーソナリティを『知能・感情・興味・態度・価値観・性格傾向・対人関係』といった複数の特性が束になったものと考える理論である。E.ウィリアムソンは心理テストで得られた客観的データによって、クライエントの大まかなパーソナリティと適切な問題解決の方法が分かるとした。

カール・ロジャーズのクライエント中心療法(来談者中心療法)は『傾聴・共感・受容』を用いて、人間のパーソナリティや心理状態を『内側(感情・言葉)』から理解しようと努める技法である。それに対して、エドムンド・ウィリアムソンの特性因子理論的なカウンセリングは『心理テスト(心理アセスメント)のデータ』を用いて、人間のパーソナリティや心理状態を『外側(行動・反応)』から理解しようとするものである。

エドムンド・ウィリアムソンの特性因子理論や心理テストを前提にしたカウンセリングは、現代の科学的臨床心理学や実証的カウンセリング、エビデンス・ベースドな心理療法の先駆となるものでもあった。

E.ウィリアムソンは、C.ロジャーズの客観的科学性(効果検証の手段)のないカウンセリングを不完全なものと捉えており、『性格テスト・適性検査などの心理テスト』をはじめに実施してクライアントのパーソナリティの特徴や問題の本質をおおまかに理解した上で、カウンセリング的なアプローチを行うべきだと考えた。個人データを心理テストによって収集し、そのデータを整理して分析することで、クライアントの人格構造や性格傾向、問題状況を正確に理解することができるとしたのがE.ウィリアムソンの立場である。

学生の進路相談やキャリアカウンセリング(キャリアガイダンス)にも興味を持っていたE.ウィリアムソンは、『個人の持つスキル・能力・経験』『企業(仕事)が要求しているスキル・能力・経験』を一致させていくこと(そのための職業訓練教育を行っていくこと)が確実かつ効果的な就労支援になるというマッチング理論を主張した。キャリア選択に関する問題状況は、『不確かな選択・賢明でない選択・興味と適性のずれ・選択しなかったことによる不利益』に分類することができるとした。

親日家でもあったE.ウィリアムソンのカウンセリング分野の著作には、『学生カウンセリングの方法(How to Counsel Students, 1939)』というマニュアル的なテキストがある。



posted by ESDV Words Labo at 07:22 | TrackBack(0) | う:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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