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2013年02月13日

[ミルトン・エリクソン(Milton H. Erickson):5]

ミルトン・エリクソン(Milton H. Erickson):5

エリクソンは上述した『ダブルテイク(トリプルテイク)の言語の多義性・複層性』『説明的言語の持つ間接的な命令・指示の効果』『人間観察に基づく呼吸・抑揚・体型が意味するものの理解』を実践的に催眠の臨床場面に取り入れていったことでも知られる。M.エリクソンの催眠的コミュニケーションにまつわる驚くべき事例研究やクライアントの反応には多くのエピソードが残されており、そういった一般のセラピストでは再現困難な事例によってエリクソンは『催眠の魔術師』と呼ばれるようになったのである。

日本の有名な催眠療法家といえば九州大学教育学部教授を勤めていた成瀬悟策(なるせごさく,1924-)がいるが、成瀬は『催眠では他人を操作できない、本人が望むことを手助けするだけ』と催眠の本質を語っている。この発言からも示唆されるように、催眠(催眠療法)はクライアントの無意識的願望の言語化・行動化といった精神分析の機序とも無関係ではないのである。

『無意識の作用』を効果的に利用しながら、一般的な普通の会話と催眠誘導の境界を曖昧にしたのがミルトン・エリクソンの達人的な催眠療法の特徴である。クライアントと何気ない普通の会話をしながら、そのプロセスを通して自由に催眠的な誘導と会話を行き来することができたと言われるが、このエリクソンの催眠療法の技法・理論の継承者を『エリクソニアン』と呼ぶことがある。エリクソンの催眠は、カタレプシー(筋肉硬直)の言語的暗示などを用いる古典的催眠とは異なる仕組みを持つものであり、『エリクソン催眠(現代催眠)』として区別されている。

ミルトン・エリクソンは、初対面のクライアントの父親や母親の名前を言い当てることができたが、それは超能力などではなく『音声になっていない喉の動き』まで正確に読み取れるという驚異的な人間観察力のお陰だったという。

エリクソニアンの人並み外れた人間観察や状況判断に基づく技法は、一見すると『超能力・読心術・洗脳』のようにも見えるのだが、なぜそれができるのかというきちんとした合理的理由がそこにはあり、こういったエリクソン催眠のメカニズム(仕組み)は『NLP(神経言語プログラミング)』の人間行動の予測・制御の技法などにも応用されているのである。

この記事の内容は、『ミルトン・エリクソン:4』の続きになっています。



posted by ESDV Words Labo at 01:16 | TrackBack(0) | え:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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