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2013年03月01日

[ロバート・R・カーカフ(Robert R. Carkhuff)]

ロバート・R・カーカフ(Robert R. Carkhuff)

ロバート・R・カーカフ(Robert R. Carkhuff,1934-)は、アレン・アイビィの『マイクロカウンセリング』と並ぶ代表的なカウンセリングの折衷技法である『ヘルピング法』を開発した臨床心理学者(カウンセリング心理学者)である。ロバート・カーカフのヘルピング法はクライアントの内的・人間的な成長を支援するというカール・ロジャーズに影響を受けた『内面的成長技法』である。

ロバート・カーカフがカウンセリング技法として開発した折衷的なヘルピングは、クライエントの話題や訴えにまず共感・傾聴しながら、自分の内面に関心を向けるように促していく。その共感的な傾聴のプロセスで、『問題内容・問題が持つ意味・カウンセリングの目標などの意識化(明確化)』を行っていくことに主眼がある。

その上で、クライエントの人間的・内面的な成長を段階的に進めるアプローチを工夫しながら、クライエントの抱えている『現実的・具体的な問題』の解決をカウンセラーと共に目指していくという折衷技法である。ヘルピングを通したクライエントの内面的成長は、『自己探索→自己理解→行動化』のプロセスを通して具体的な問題解決と一緒に実現されることになる。

ロバート・R・カーカフは1960年にアメリカのウィスコンシン大学で学術博士号(Ph.D.)を取得して、カウンセリングの創設者であるカール・ロジャーズ(Carl R. Rogers, 1902-1987)から教えを受けている。その後に、マサチューセッツ州にあるアメリカ国際大学(American International College)でカウンセリング心理学の教授としてカウンセリングの理論・技法を教えていた。『カーカフ思考システム研究所(Carkhuff Thinking System Institute)』を設立してからはそこの所長に就任して、独自のヘルピングの実践と研究、調査に尽力した。

専門家であるカウンセラーと依頼者であるクライアントを区別する『カウンセリング(counseling)』という用語ではなく、専門家とクライアントが対等な立場に立って協力しながら(カウンセラーの適切なヘルプを受けながら)問題解決を促進していく『ヘルピング(helping)』という用語を定着させようとした。カーカフは非常に膨大な論文と著作を書いた人物としても知られる。数百以上の論文と五十冊を越えるカーカフの著作は、1980年代には同じく多作のアルバート・エリスに続いて臨床心理学・カウンセリング心理学の学術書に引用されたりもした。



posted by ESDV Words Labo at 05:19 | TrackBack(0) | か:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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