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2013年03月01日

[レオ・カナー(Leo Kanner):1]

レオ・カナー(Leo Kanner):1

オーストリア・ハンガリー帝国生まれのアメリカの精神科医レオ・カナー(Leo Kanner,1894-1981)は、アンナ・フロイトやメラニー・クラインらの精神分析とは異なる科学的アプローチで、児童の精神的・発達的な諸問題を統合する『児童精神医学(Child Psychiatry, 1948)』を提唱した人物である。レオ・カナーはアメリカの精神医学会で初めて『児童精神科医』を自称したが、カナーは各発達段階に専門的に対応した『精神医学の観察・診断・治療』の臨床行為が必要であると考えていた。

1913年にドイツのベルリン大学に入学したカナーは、第一次世界大戦中にはオーストリア軍に従軍したことで学業の中断を余儀なくされたが、1921年に医師免許を取得して精神科医としての活動を始めた。1924年にアメリカのサウスダコタ州ヤンクトン郡の州立大学(現在は閉校)で医科助手として働き始めることになり、アメリカ合衆国への移住を決めた。1930年には、ボルチモアのジョンズ・ホプキンス大学病院で小児科の創設者として働き、1933年には、小児科学の助教授に就任して児童精神医学分野への興味・影響力を高めた。

科学的な児童精神医学を構想したL.カナーは徹底した『子どもの行動・発言・症状(異常)』についての観察と記述を重視して研究を進め、『自閉症(autism)・自閉症スペクトラム』の研究・治療の分野では、アスペルガー障害の概念を提示したハンス・アスペルガーと並ぶ権威的な人物として評価された。自閉症(オーティズム)とは、先天的な脳の機能的・器質的障害を原因とする発達障害(developmental disorder)であり、現在では広汎性発達障害(PDD:Pervasive Developmental Disorder)の一種として分類されている。

自閉症の主要症状は、対人コミュニケーション(社会性)の障害や言語発達の遅れ、知覚機能の異常(常道行動)、他者への関心の欠如などであり、『社会生活・人間関係・コミュニケーション(会話)』が上手くいかないという問題によって本人も周囲も悩みやすい問題である。1943年に、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で児童精神科医をしていたレオ・カナーが、他者との情緒的なコミュニケーションが上手くいかなかったり、言語的な発達の遅れや知的障害が見られる『早期幼児自閉症』を発見した。

自閉症の原因は先天的な脳機能の成熟障害(育て方とは関係のない生物学的原因)であるとされている。しかし、1950〜1970年代には子供と情緒的な交流やスキンシップをしていない冷たい対応の母親が自閉症の原因になっているとする『冷蔵庫マザー説(refrigerator mother)』という間違った仮説が広がり、自閉症児を持つ母親たちが『不当な罪悪感・自責感・自信喪失』で苦しめられるという弊害も生まれた。

posted by ESDV Words Labo at 10:56 | TrackBack(0) | か:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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