ウェブとブログの検索

カスタム検索





2013年03月30日

[保護観察(probation and parole)・更生保護法:2]

保護観察(probation and parole)・更生保護法:2

保護観察の根拠法令は、『犯罪者予防更生法』『執行猶予者保護観察法』『売春防止法』などであるが、実際に保護観察の対象になるのは以下のような者である。

1.家庭裁判所の少年審判で、保護観察の処分を決定された者。保護期間は20歳までまたは二年。

2.少年院から仮退院を許された者。保護期間は20歳になるまで。

3.刑務所からの仮出獄を許された者。保護期間は残刑期間。

4.保護観察付執行猶予の判決を受けた者。保護期間は執行猶予期間。

5.婦人補導院(主に売春した未成年を補導する)からの仮退院を許された者。保護期間は補導処分の残期間。

保護観察を英訳すると、“probation”“parole”になる。“probation”のほうは、初めから『刑務所・少年院の施設』には収容せずに、社会内の一般的な人間関係や社会生活のケースワークを通して改善・更生を図るというものである。“parole”のほうは、『少年院を仮退院した者・刑務所を仮出獄した者・婦人補導院を仮退院した者』などいったんは施設に収容して更生教育を受けた者に対する強制的なアフターケアのことである。

更生保護法の39条1項には、保護観察は保護観察官及び保護司が協働して指導監督及び補導援護を行うとある。保護司は法律や個人の問題ごとに定められた『遵守事項(決まりごと)』を守って犯罪を犯さずに社会生活を送れるように指導監督し、犯罪者(犯罪少年)にも本来的に自助努力の責任と能力があることを前提として、その責任・能力を開発して社会生活に適応できるように補導援護していく。

遵守事項というのは個別的な決まりごとで、『決まった住所で生活する・犯罪や非行を勧めてくる悪友と交際しない・規則正しい生活をする・定期的に就職活動の計画を立てたり保護司との話し合いの機会を設ける』などである。

保護観察の具体的な施策には以下のようなものがある。

1.社会参加活動……少年院に入院した少年の対象者が、社会奉仕活動(ボランティア)やレクリエーション、社会見学などの多様な社会活動に参加することによって、お互いに支えあって成り立っている社会のシステムを学んで、その社会の中で自分が果たせるような役割・責任に気づかせていく。BBS会(Big Brothers & Sisters)などが主催して社会活動への参加が促されている。

2.短期保護観察……少年犯罪などにおいて、犯罪の悪質性・緊急性が低くて、家庭・周辺の保護環境にも問題が少なく、暴力団に関係していないものを対象として、『生活の記録』と呼ばれる日常生活のレポートを提出させながら生活態度・人格性の改善を進めていく。ボランティアや社会奉仕などの社会参加活動と一緒に併用されることが多い。

3.交通短期保護観察……暴走行為・危険運転などを行った非行少年を対象とした短期間の保護観察制度である。特定の保護司を担当者として指名せずに、集団学習のグループ・ダイナミクスを活用して交通法規を遵守して安全運転を行うための交通指導を進めていく。

4.分類処遇……交通事件や短期保護観察、交通短期保護観察以外の事例において、『処遇困難な問題状況・再犯可能性』があると見られる時に、保護観察の処遇の内容や密度を特別に考慮するものである。

5.類型別処遇……保護観察はそれぞれの犯罪者(犯罪少年)の個別の事情・問題性によって処遇する『個別処遇』が基本であるが、覚せい剤の乱用者や性犯罪者などの処遇では、類型化された精神状態や問題行動に対して『効果的・効率的な専門家による処遇(改善のためのプログラム的対処)』が実施される。

6.簡易尿検査……覚せい剤乱用者で仮出獄したり執行猶予判決を受けた者を対象にして、『簡易尿検査キット』の使用によるチェックと治療的面接を行い、『薬物依存症の治療』を促進しようとするもの。

この項目は、『保護観察(probation and parole)・保護観察官(probation officer):1』の続きになっています。

posted by ESDV Words Labo at 21:37 | TrackBack(0) | ほ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。