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2013年03月31日

[J.L.モレノの補助自我(auxiliary ego)]

J.L.モレノの補助自我(auxiliary ego)

オーストリアの精神科医・精神分析家のヤコブ・レヴィ・モレノ(Jacob Levy Moreno, 1889-1974)は、集団精神療法(グループセラピー)の『サイコドラマ(心理劇)』や社会的な人間関係を数量的に測定する 『ソシオメトリー(sociometry)』を開発したことで知られる。

J.L.モレノはクライエントの抑圧された感情を解放して演技を演じきる『サイコドラマ(psychodrama)』を実施するに当たって、監督の脚本のスムーズな進行や演技者の素直な感情表現を支援する役割を果たす者が必要だと考えた。サイコドラマの物語的な演劇を円滑かつ効果的に進めるために、裏方に回って補助的な役割を果たしてくれる者(その役割)のことを『補助自我(auxiliary ego)』と呼んでいる。

サイコドラマ(心理劇)における『補助自我』の役割とは、監督が脚本(ストーリー)に反映しようとしている『自我』、そして、演技者が自らの感情的な演技を通して表現しようとしている『自我』を支えてより生き生きとするように援助して上げるという事である。人間は自分一人だけでは十分にその自我や自我に基づくありのままの感情を表現して伝えきることができない。

そこで補助自我の役割を果たす人が、当意即妙の言動と反応をして、『監督・演技者の自我及び感情』をできるだけ自然な形で無理なく引き出して上げるのである。サイコドラマの補助自我の役割に求められる適性は、他者の感情・気分を敏感に想像して感じ取る『共感性・感受性』、自分に物語の中で何が求められるのかを素早く理解して動ける『自発性・推測力』である。

モレノのサイコドラマは、演技者の『自我(それに基づく感情)』とそれをバックアップしてくれる人の『補助自我(演技者に共感しながら援助してくれる行動)』が、ダイナミックに相互作用する事によって体験的な心理療法としての効果を発揮するのである。

posted by ESDV Words Labo at 02:09 | TrackBack(0) | ほ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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