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2013年04月21日

[メダルト・ボス(Medard Boss, 1903-1990):1]

メダルト・ボス(Medard Boss, 1903-1990):1

スイスの精神科医・精神分析家であるメダルト・ボス(Medard Boss, 1903-1990)は、ジークムント・フロイトの精神分析をハイデガーの実存主義哲学の立場から再解釈して、『現存在分析』という独自の理論を提唱した。現存在というのはマルティン・ハイデガーの用語で、存在論的な人間(世界内存在としての人間)のことを指しており、メダルト・ボスは『世界における人間の実存性(人間に固有の存在形式)』を前提として人間(自己)の存在意義を問い直すような精神分析を展開したのである。

現存在分析のような人間(自己)の存在意義を考察するカウンセリングは、『ロゴセラピー(実存主義カウンセリング)』として発展していくことになる。代表的な現存在分析の研究者が、メダルト・ボスとルートヴィヒ・ビンスワンガー(Ludwig Binswanger, 1881〜1966)であり、従来の精神分析と比較すると『世界の中における精神病者の存在・世界と人間の本質的な関わり合い』にクローズアップした精神分析を行った。

メダルト・ボスはスイスのチューリヒ大学医学部を卒業した後に、フランスやドイツなどヨーロッパ諸国を遊学して理論と臨床の研鑽をするが、M.ボスは並外れた行動力を持っており、東洋哲学・仏教に関心を持ち始めた後年には南アジアのインドやインドネシアにまで足を伸ばしている。

精神医学・精神分析の分野ではC.G.ユングの学師(上司)でもあるオイゲン・ブロイラー(Eugen Bleuler,1857〜1939)に師事しており、性の抑圧と解放の理論を重視したウィルヘルム・ライヒ(Wilhelm Reich, 1897-1957)から教育分析を受けている。オイゲン・ブロイラーは、エミール・クレペリンが定義した早発性痴呆を、精神病理学における『スキゾフレニア(schizophrenia,旧称・精神分裂病)』として再定義した功績で知られる。

ウィルヘルム・ライヒは、抑圧された性的欲動(リビドー)を解放すれば精神疾患が治癒して人間の可能性が向上するという極端な『性欲理論』を提唱したり、オカルト主義的なオルゴン・エネルギーの理論やその実験装置を考案したことで知られる。一方でW.ライヒは、リビドーの精神発達論や自我防衛機制の絡む性格形成論で、精神分析の理論の精緻化に貢献している。

posted by ESDV Words Labo at 09:11 | TrackBack(0) | ほ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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