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2013年04月21日

[ドナルド・E・スーパー(Donald E.Super)1:スーパーのキャリアと職業指導の定義]

ドナルド・E・スーパー(Donald E.Super)1:スーパーのキャリアと職業指導の定義

コロンビア大学の経営学者・キャリア研究者のドナルド・E・スーパー(Donald E.Super,1910-1994)は、エリ・ギンズバーグの職業選択理論やハヴィガーストの生涯発達理論の影響を受けて、独自の実践的価値のある『キャリア発達理論』を考案した。

ドナルド・E・スーパーのキャリア発達理論は、職業選択(キャリア構築)における『職業的な発達段階・発達課題』を明確に定義したものであり、キャリアカウンセリング(キャリアガイダンス)や進路相談(職業相談)、能力開発の分野に非常に大きな影響を与えた。

D.E.スーパーは個人のキャリア(career)を、『人々が生涯にわたって追求し、社会的に占めている地位・業務・職務の系列』であると定義して、キャリアを一時期の職業活動だけに限定しない人生の生き方や人間関係、社会的役割にまで拡張した。

キャリアカウンセリング(career counseling)も、学生・社会人の職業選択や進路選択のための相談業務として短絡的に理解されてしまうことが多いが、キャリアカウンセリングは本来的には『人生全体における自己理解の深化と適応能力の向上+職業や人間関係、社会参加を含む総合的な自己実現』を援助していくものであり、職業選択・進路相談の分野だけに限定されるものではない。

キャリアにしてもキャリアカウンセリングにしても、その最終的な目標は『より豊かでより素晴らしい納得のできる人生設計や社会参加(社会貢献)の具体化』にあり、その前段階の課題として『進路への意識向上・職業観と世界観の確立・職業的な能力開発・価値観と職業活動の統合・中長期的な人生設計・双方向的な人間関係の構築』などがあるのである。

D.E.スーパーは進路相談(キャリアガイダンス的な職業指導)については、『職業指導とは自分と働く世界における役割について統合された妥当なイメージを発展させ受容させること・自分にとっての満足と社会にとっての有益さを両立できる自己概念を現実化していくプロセスを支援すること』という定義をしている。スーパーの職業的発達とは、自己概念(職業的自己概念)の発達を『自己の満足・社会の利益』につなげていこうとするプロセスであり、そのプロセスを現実的な行動・適応へと転換していくことなのである。

『自分はどのような人間であるか・自分はどんな特徴や好き嫌いを持っているか』のイメージ(自己認識)が自己概念であるが、この自己概念が不明確化したりその評価が低下してしまうと、職業選択が失敗しやすくなり『仕事の不適切感・不満感(この仕事は自分には合わずただつらいだけだという感覚)』に苦しめられることになる。この項目は、キャリア発達理論を構想した『エリ・ギンズバーグ』の記事と関係しています。



posted by ESDV Words Labo at 17:14 | TrackBack(0) | す:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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