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2013年05月08日

[ボディワーク(body work)とボディセラピー(body therapy):2]

ボディワーク(body work)とボディセラピー(body therapy):2

性解放論やオーゴン・エネルギー論を唱えたウィルヘルム・ライヒを創始者とするライヒアン療法は、ライヒの死後に『ネオ・ライヒアン(Neo Reichan)』と呼ばれる学派に継承されていく。ネオ・ライヒアンに分類される心理臨床家のアレキサンダー・ローウェン(A.Lowen)が開発した心理療法が『バイオエナジェティクス(bioenergetics)』であるが、このバイオエナジェティクスの簡略な通称として『ボディワーク(body work)』という言葉が用いられた。

一般的なボディワークという言葉は、身体やその動きを用いたエクササイズのすべてを指しているが、ネオ・ライヒアンがボディワークという場合には、アレキサンダー・ローウェンがヨーガの理論と運動を参照して考案した『バイオエナジェティクス』のことを意味しているのである。A.ローウェンはウィルヘルム・ライヒ本人(Wilhelm Reich, 1897-1957)の精神分析と指導を受けたことがあるという。だが、期待していたほどの治療効果を得ることができずに、ライヒの精神分析や理論体系を参考にしながら運動療法的なボディワークを主体としたバイオエナジェティクスを独自に開発したという経緯がある。

ヨーガの柔軟で滑らかな動き、生命力を賦活させる姿勢を採用したバイオエナジェティクスでは、『自我意識と身体感覚の矛盾・葛藤』をヨーガの動きを通して解消し、『心身一如の健全な統合された状態』を回復することが目的とされている。A.ローウェンが精神疾患の原因と考えたのは、自我意識と身体感覚が葛藤(対立)して、その状態が固定されることであり、ヨーガの体位や運動によるリラクセーションはその緊張・対立の固定化を緩和してくれる効果があるという。

自我意識と身体状態を調和させるためのヨーガ的な呼吸法を用いて、リラクセーションと感覚の正常化を促進すると同時に、身体が異常に強張っている緊張状態への気づきを助けて緊張を和らげるのである。呼吸法と体位、運動を用いて、精神疾患に発展する可能性がある『身体・筋肉の異常な緊張』を緩和していくところにバイオエナジェティクスの治療機序があるが、それだけではなく『緊張を生み出しているストレス・情動』を同時に発散させていく。

A.ローウェンのボディワークと呼ばれているバイオエナジェティクスは、身体性とその感覚の変化を重視した心理療法と言えるが、ここでは身体性の異常がどのような自我意識や感情的葛藤と深層で結びついているのかを明らかにしていくことが精神疾患の治療につながっているのである。心身の自然な連携やバランスを取り戻すことによって、統合失調症から各種の不安性障害まで改善させることができるとA.ローウェンは主張していたが、現在では高度なリラクセーションのための運動療法として理解されていることが多い。

この記事の項目は、『ボディセラピーとボディワーク:1』の続きになっています。



posted by ESDV Words Labo at 23:40 | TrackBack(0) | ほ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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