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2013年05月17日

[ホリスティック・カウンセリング(holistic counseling)と全人的医療・包括的医療:1]

ホリスティック・カウンセリング(holistic counseling)と全人的医療・包括的医療:1

近代科学の世界観や方法論を参照する『近代西欧医学』に対する典型的な批判として、『病気は見るが人間(患者)を見ない』とか『部分を分析するが全体を洞察しない』『身体の器質的な異常だけを見て精神(内面)の問題を見てくれない』とかいった批判がある。

近代的な西洋医学は長らく『要素還元主義・機械論的人間観・専門医重視』によって研究と臨床が進められてきたため、人間の器官や病気を身体的な部分に還元してその異常を調べ、その異常を修復するための専門的な治療(投薬・手術)だけに特化するというシステムが確立されてしまった。つい最近まで、大学の医学部が教育しようとしてきた医師は、『それぞれの専門に深く通じた専門医』であり、医学部で医師免許を取得した後に『専門医制度の資格』を更に取得するという自己研鑽を奨励してきた。

言い換えれば『専門以外の臓器・病気・訴えに上手く対応できない医師(専門外の患者は見たくないし責任を持てないという医師)』が増えてきたという状況があり、その反動として患者の全体像や精神性も見渡せる『総合医・かかりつけ医』が求められるようになってきている。

西洋医学の理論と世界観に依拠して診療を行う医師は、『全体・人間・精神』を見ることができないのではなくて、テクニカルな効率主義や科学的な対処法を採用するために、敢えて『人間の全体性・精神性』を捨象して治療に取り組んでいるのである。患者の病気・怪我の部分だけに向き合ってその治療法を考えるというのが長らく西洋医学の命題であり、医師は人間と人間として患者本人と触れ合って理解するよりも、ある種の権威と知識を持って『患者の病気・怪我』を技術的・実際的に治療するということが最優先されてきた。

医師が全身麻酔を要するような外科手術をする時には、患者の全体性や精神性に向き合うのではなく、『患者の具体的・部分的な病気の部分(患部)』『手術上の技術的な難しさ・注意点』に意識を集中させる必要があるが、西洋医学が対象とする病気・怪我の多くは要素還元主義(部分主義)の治療でも上手く結果を出せるということがある。

しかし、身体器官の“部分”の異常・病変だけに注目して治療するという西洋医学の限界が露呈する病気として、心理的原因(環境要因)が大きく影響している心身症や精神疾患があり、短期間で治癒させることができず長期間にわたって症状が持続する慢性疾患や不定愁訴があり、ホスピスでのターミナルケアや人間的な励まし・支えが必要になるような末期のがん(癌)がある。



posted by ESDV Words Labo at 18:57 | TrackBack(0) | ほ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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