C.L.クーパー(Cary L. Cooper)
アメリカ生まれのイギリスの心理学者C.L.クーパー(Cary L. Cooper,1940)は、英国のマンチェスター大学やランカスター大学で心理学教授を務めている。『心理的ストレスに関する研究』や『産業心理学・組織心理学・コーチング』に関する研究で多くの実績を残しており、ヨーロッパ圏(EU諸国)におけるストレス心理学の権威として知られる。
大学生時代には、米国のカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)でF.マサリック教授(F.Massarik)の元で学び、『感受性訓練』や『エンカウンター(グループ療法)』に関する臨床的研究に携わり、特に感受性訓練やエンカウンターの指導者となる人のリーダーシップや方法論の分野で貢献した。
学位は1962年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で、行動科学(行動主義心理学)を専攻して経営学修士号(MBA)を取得している。イギリスに渡ってからの研究生活では、『人間関係訓練グループにおけるスタッフ・トレーナーの研究』という学位論文を書いて、リーズ大学で博士号を取得した。C.L.クーパーは産業心理学・組織心理学の分野の精力的な研究も行っており、マンチェスター大学の教授時代には『経営者・管理者・従業員の各ストレス要因とその影響・対処法』などストレス研究に注力していた。精神的ストレスの測定尺度の作成にも役立つ『ストレス・チェック(1981)』の論文を書いたりしている。
クーパーは、日本で開発された『対人関係の教育訓練プログラム・集団精神療法のプログラム』である『Tグループ(トレーニング・グループ)』にも関心を示して、『Tグループの研究展望(1971)』という著作論文を書いている。クーパーは日本にも何度か来日しており、人間関係訓練プログラム(集団精神療法・エンカウンター)に関するワークショップやセミナー講習を実施したというエピソードもある。