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2013年06月07日

[ホワイト精神分析研究所(W.W.White Psychoanalytic Institute)]

ホワイト精神分析研究所(W.W.White Psychoanalytic Institute)

ジークムント・フロイトが創始した『正統派精神分析(自我心理学の精神分析)』に、社会科学の知見や文化的歴史的な視点を付け加えたのが『新フロイト派』であり、新フロイト派に属する分析家のことを『ネオフロイディアン』と呼ぶこともある。ニューヨーク市にある精神分析の訓練施設・研究所である『ホワイト精神分析研究所(W.W.White Psychoanalytic Institute)』は、新フロイト派を養成する研究所として知られる。

ホワイト精神分析研究所を創設したのは、H.S.サリヴァン(H.S.Sullivan)エーリッヒ・フロム(E.Fromm)、フロム=ライヒマン(F.Fromm-Reichmann)、C.トンプソン(C.Thompson)といった代表的なネオフロイディアンである。ホワイト精神分析研究所では、正統派精神分析のリビドー発達論や汎性欲論、幼児期トラウマ仮説(幼児期記憶の転移)などに囚われずに、『生物学的要素以外の社会的・文化的な要素』を重視した精神分析を実施したり訓練したりしていた。

新フロイト派は、S.フロイトのような自然科学(生物学モデル)としての精神分析を目指すのではなく、『社会文化的・対人関係的な視点』を取り入れて、クライエントの利益と回復のためにはどんな技法も試してみるという折衷主義に立っていた。『科学的な理論モデルの構築』よりも、『実践的な臨床技術の向上』のほうが大切というのがホワイト精神分析研究所の基本原則であり、学派ごとの理論対立に囚われずに『臨床の科学・技術』として精神分析を普及させようとしたのである。

正統派の精神分析では初期は医師免許を保有する人だけに『精神分析家』の資格認定証を発行していたが、アメリカのネオフロイディアンたちは『医学医療モデルとは異なる精神分析の世界観』を確立するために、医師ではない人たちにも『精神分析家』の訓練を施してその専門家としての資格を認めていった。精神科医と精神分析家とは異なるというのが、(医師ではない社会学者も多く参加している)『新フロイト派』の信念でもあり、かつて『レイアナリスト(素人の分析家)』として軽視されていた非医師の精神分析家たちにも正規の資格を認定していったのである。

実際の人間関係を反映させた対象関係論、分析家自身のクライエントに対する感情を取り扱う逆転移理論、国・地域・民族ごとの精神内界の特性の違いを研究する臨床比較文化論などの分野において、ホワイト精神分析研究所は成果を残している。



posted by ESDV Words Labo at 16:53 | TrackBack(0) | ほ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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