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2013年06月28日

[シェルドン・グリュック(Sheldon Glueck),エレノア・グリュック(Eleanor Glueck):グリュック夫妻の非行予測研究]

シェルドン・グリュック(Sheldon Glueck),エレノア・グリュック(Eleanor Glueck):グリュック夫妻の非行予測研究

心理学者であるシェルドン・グリュック(Sheldon Glueck)エレノア・グリュック(Eleanor Glueck)グリュック夫妻は、少年の非行原因を『多面的近接方法・精神分析理論』をベースにして統計的に調査した『早期非行予測』の研究で知られている。グリュック夫妻の非行研究の特徴は、『数量的・確率的な予測であること』や『(過去に非行歴がない)一般の少年が非行化する蓋然性を示したこと』にある。

ハーバード大学法学部の資金面・調査面の援助を受けたグリュック夫妻は、ボストンのスラム街地区にある少年院から500名の非行少年を『非行群』として選び、非行歴のない500名の一般少年を集めた『対照群』と比較する研究を行った。非行群と対象群とを比較調査することで、少年を非行に走らせる要因・因子を特定して、少年の非行を事前に予防することに役立てようとしたのである。

非行群と対照群に含まれる各少年について、『社会学的調査・心理学的検査・身体的診査・精神医学的面接診断』などが実施されたが、こういった複数の調査・検査方法を組み合わせたものを『多面的近接方法』と呼んでいる。ボストンの非行少年と一般少年を調査したこの研究の成果は、『少年非行の解明,1968 中央青少年問題審議会』(Unraveling Juvenile Delinquency, 1950)としてまとめられており、非行の要因ではないかと考えられる約400項目についての専門家による多角的な検討が為された。

グリュック夫妻が、ボストンの非行少年の調査研究で分析の要因とした項目には以下のようなものがあり、心理学者、社会学者、精神科医、文化人類学者などの専門家が参加した分析活動は約10年にもわたって継続された。

家庭環境

家族生活の背景と両親の状態

家族生活のクオリティ及び少年・家族の関係性

少年と学校(学業や友達関係)との関係性

少年と地域社会との関係性

身体の健康状態と体格

言語的知能と動作的知能のバランス

心理力動的な葛藤と知能の質

性格構造(パースナリティ構造)と生得的な気質傾向

グリュック夫妻の非行研究の目的は、『非行化する要因の分析』『早期の非行予測・予防』であり、500名の非行少年の大規模かつ長期的な調査活動から分かった『少年が非行化する要因』は以下のようなものであった。

1.中胚葉型(筋肉質)の身体的特徴

2.不安定さ、精力的、衝動的、外向的、攻撃的などの要素を持つ気質的特徴

3.敵対的で猜疑心の強い態度、反権威主義の冒険精神があり常識に従わない態度、直接的行動や具体的表現を好む計画性のない短絡さ。

4.愛情や理解、尊重、道徳性に乏しい劣悪な家庭環境。親としての役割・責任を果たしていないという親子関係の問題。

グリュック夫妻が抽出した『非行化リスクの高い7つの因子』は以下のようなものである。

1.過去1年間のうちの家出。

2.一緒に過ごしている父母からの悪影響。

3.過去1年間のうちの怠学(授業・通学の意欲の喪失)。

4.思春期の年齢。

5.非行の種類による繰り返し。

6.家族の問題行動。

7.非行化の動機。

posted by ESDV Words Labo at 10:58 | TrackBack(0) | く:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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