ウェブとブログの検索

カスタム検索





2013年08月06日

[マンダラ(曼荼羅,mandala)]

マンダラ(曼荼羅,mandala)

マンダラ(mandala)は漢字では『曼荼羅』と表記されるが、マンダラとは密教系の仏教で『世界の真理(全体的な世界観)・悟りの境地・宇宙の摂理』を図形や仏像、文字、諸神などのシンボルを用いて、視覚的・象徴的に表現したものである。寺院の秘仏や秘宝、奥義としてマンダラが保存されていることも多く、国の重要文化財として指定されている貴重なものもある。

マンダラは仏教が誕生して間もない古代インドで作成されたのを初めとして、チベット・中央アジア・中国にマンダラの技法や意味が伝えられた。その後に、朝鮮半島を経由して日本の仏教界(密教系)へも伝わってきたとされる。マンダラは仏教の持つ全体的な世界観を表現した絵画であるが、古代インドやチベット周辺などで作成されたマンダラはヒンドゥー教の世界観なども包摂する『コスモロジー(宇宙観)』を持っており、そのマンダラには壮大で抽象的な観念世界の広がりが見られる。

マンダラには『密教曼荼羅』と呼ばれる真言宗などと関係した絵画が多いが、阿弥陀如来が臨済する西方極楽浄土を再現した『浄土曼荼羅』や神道・神社の清浄な世界観や権現思想(仏が神の姿を取って顕現する本地垂迹)を表現した『垂迹曼荼羅(すいじゃくまんだら)』といったものもある。日蓮宗では『南無妙法蓮華経』の題目を中央部に大きく書いて、その周辺に諸仏・諸菩薩などの名前や仏像を描いた独特な日蓮宗の曼荼羅が用いられたりもする。

密教の代表的な仏である大日如来を中心に描いて、諸仏・菩薩の像をその周辺に配置した『大曼荼羅』が日本の密教では最も多く用いられている。諸仏・菩薩の姿を直接的に絵で描かずに、1つの仏を1つの文字(サンスクリット文字=梵字)で象徴的に表現した『法曼荼羅(種子曼荼羅)』と呼ばれるものもあり、仏を表す文字のことを『種子』と呼んでいる。曼荼羅を平面的な絵画で表現するのではなく、空海が立案作成したとされる東寺講堂の大日如来を中心とした21体の群像のように、立体的な仏像でマンダラを作ったものを『羯磨曼荼羅(かつままんだら)』と呼んでいる。

元型(アーキタイプ)や集合無意識を参照する『分析心理学』を創始したカール・グスタフ・ユングも、このマンダラ(曼荼羅)のイメージに強い興味を示しており『個人化(自己実現)のプロセス』を促進する効果があると信じていた。

神秘的・呪術的な東洋思想や仏教思想に傾倒していたところのあるカール・グスタフ・ユングは、クライエント(患者)の夢や幻想に出現してくるマンダラのようなイメージや色彩感覚を『自己超越的な意味・価値の現れ』と解釈した。ユングにとってのマンダラは、『自我(あるいは個人的無意識)』と『集合無意識(普遍的無意識)』を架橋してくれる超越的なイメージであり、人類に共通する集合無意識からのメッセージ(自分がどのように生きれば良いのかの指針)を含むものでもあったのである。



posted by ESDV Words Labo at 06:34 | TrackBack(0) | ま:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック