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2013年08月06日

[マルチプル・カウンセリング(multiple counseling)]

マルチプル・カウンセリング(multiple counseling)

マルチプル・カウンセリング(multiple counseling)は、複数のカウンセラー(心理臨床家)が同時に『同じセッション(心理面接)』に参加する変則的な形態のグループ・カウンセリングである。マルチプル・カウンセリングは『複数のカウンセラー+一人のクライエント』で実施されるケースもあれば、『複数のカウンセラー+複数のクライエント』で実施されるケースもある。クライエントの抱えている問題の性質や内容によって、『参加するカウンセラー』を専門分野やクライエントとの関係性(役割関係)で調整するのが原則である。

マルチプル・カウンセリングは『一人のカウンセラー』だけの専門分野・能力やクライエントとの関係性では対応しづらいケースで実施されることになるが、その多くは『複数のカウンセラーの専門分野による役割分担(能力・知識の相互補完性)』を期待して行われることになる。

そのため、マルチプル・カウンセリングに参加するカウンセラーは、必ずしも臨床心理学やカウンセリング心理学だけを学んで資格を取得したような専業のカウンセラー(心理臨床家)ではないことも多い。つまり、既にクライエントと何らかの関係性を持っている『学校の教師・各臨床科の医師・看護師・介護士・ケースワーカー・ケアマネージャー』などが、それぞれの専門的な知識・経験やクライエントに与える影響を活かしてカウンセラー役を務めたりするのである。

例えば、進路選択や留年の可能性に悩んでいる生徒の心理相談に当たる時には、心理カウンセラーだけではなく、その生徒の学力や取得単位、学校適応などに詳しい学校の先生が一緒にマルチプル・カウンセリングを実施したりする。がんや血管障害、糖尿病などの病気の進行・治療と後遺症などに悩んでいる患者のカウンセリングに当たる時にも、専門の心理カウンセラーだけではなく、それぞれの病気の症状や治療法、経過・予後に詳しい専門医に一緒に立ち会ってもらったほうがマルチプル・カウンセリングの効果が発揮されやすくなる。

しかし、集団カウンセリング(グループ・カウンセリング)の一種であるこのマルチプル・カウンセリングの実施例は少なく、まとまった科学的・統計的な効果研究や技法の検証なども行われていないことから、マルチプル・カウンセリングとは何かという根本的な定義も明確に定まっているとは言えない部分がある。現状では、複数のカウンセラー役が参加するグループ・カウンセリングのことを指して、一般的な個人カウンセリングとは異なる形態・効果を持つとされる『マルチプル・カウンセリング』が定義されているのである。



posted by ESDV Words Labo at 06:54 | TrackBack(0) | ま:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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