ウェブとブログの検索

カスタム検索





2013年09月18日

[オーギュスト・コント(Auguste Comte,1798-1857):2]

オーギュスト・コント(Auguste Comte,1798-1857):2

A.コントは実証主義的な社会学の創始者であるが、社会学について『実証哲学(Philosophie Positive)』の全体系を集約した人間の知識の最高形態と考えていた。コントは社会学の果たすべき役割として、『現在の社会構造の分析』『未来の社会問題の解決(予測と対応)』を想定しており、現在の社会の分析・理解を目的とする『社会静学(Statique social)』と未来の社会問題の予測・対処を目的とする『社会動学(Dynamique social)』とを区別して定義していたのである。

コントのいう『実証哲学(Philosophie positive)』は、社会動学(Dynamique social)と社会静学(Statique social)の2つのアプローチに支えられており、人類の実証主義的な真実性の高い知識を共有するためには、社会学の『科学的な体系化・実用化』が必要になると訴えていた。コントの創始した社会学の背景にあったのは、フランス革命後あるいはナポレオン失脚後の『フランス社会の混乱・暴力・荒廃・不安』であり、コントはそういった歴史的プロセスの一局面として現れてきた『市民社会の危機・不信』を克服するために、進歩主義の歴史観・学問観に根ざした社会分析・社会問題の解決の道具である社会学(ソシオロジー)の発展を推し進めていったのである。

フランス社会の混乱や危機をブレークスルーするための社会学という観点では、『社会集団の再構成・共同体機能の再構築・実証主義的な知識に基づく社会問題の解決』というのが社会学の学術的な使命や存在意義につながっていた部分も大いにある。A.コントは実証主義的な教育活動や教育の組織化にも力を入れており、現代社会を実証的に分析して問題点を指摘したりその解決方法を考えたりすることで、『混乱・分裂した社会の再組織化の原理』を実践することができるとしていた。

現実社会の構成要素や社会現象の科学的(実証的)な分析を行って、啓蒙的な実証主義教育にも貢献していたA.コントは、史上初の実証主義的な社会学者であると同時に、卓越した哲学者や先見の明がある教育者でも有り続けたのである。哲学者としてのコントの思想・実践・世界観は、後に史的唯物論(進歩史観の一種)に基づく共産主義思想(共産主義革命論)を完成させたカール・マルクスにも非常に大きな影響を与えたとも言われている。

後年のA.コントは政治領域にヒューマニズムの思想から関わっていき、『人間教(Religion of Humanity)』というヒューマニスティックな戦争回避の思想を体系化して、その布教的・拡散的な活動を行ったりもした。コントのそういった一連の政治思想的な研究業績は『実証政治体系(Systeme de politique positive, 1851-1854)』という全4巻の著作にまとめられている。

この記事の内容は、『前回の記事』の続きになっています。



posted by ESDV Words Labo at 14:52 | TrackBack(0) | こ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック