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2013年10月12日

[E.ジェイコブソン(Edith Jacobson)]

E.ジェイコブソン(Edith Jacobson)

E.ジェイコブソン(Edith Jacobson, 1897-1978)はドイツ生まれの精神分析家で、 日本では特に“内向化した怒り・不満の抑圧”がうつ病を発症させるという『うつ病の精神分析的な病因論』で知られる。うつ病以外にも現在の解離性障害(離人症)に当たる、現実感(リアリティ)を喪失するタイプの精神疾患のメカニズムを考察する研究を行った。

E.ジェイコブソンのうつ病の精神分析的研究の成果は、邦訳でも『うつ病の精神分析 (1983年,牛島定信訳)』が岩崎学術出版社の現代精神分析双書(第2期 第11巻)のシリーズから刊行されている。

ジェイコブソンは『夜と霧』を書いて実存療法を創始したV.E.フランクルと同じく、ナチスドイツの強制収容所に収監されたという極限状況の体験を持っている。そのつらくて絶望的な体験が、その後のジェイコブソンの精神分析理論や人間観に与えた影響は大きいとされる。

ナチスドイツの過酷な収容所体験を経たE.ジェイコブソンは、1940年にアメリカに渡米して、当時主流であった自我心理学派の始祖であるH.ハルトマンに師事して、心の内面で自己表象と他者表象が相互に影響を及ぼし合っているという『対象関係論に近い視点』を獲得した。

一般に対象関係論の祖といえば、イギリスの女性精神分析家のメラニー・クラインのことを指すが、E.ジェイコブソンもそれに近い対象関係論的なイメージの関係性の着想を持っていたのである。

E.ジェイコブソン(エディス・ジェイコブソン)とイニシャルが同じ精神科医にエドマンド・ジェイコブソンがいる。エドマンド・ジェイコブソンのほうは神経・筋肉の過度の緊張を意識的なトレーニングで緩和させる『リラクセーション技法(筋弛緩法)』の権威であり、『積極的休養法―リラックスの理論と実際 (1972年) 』などの邦訳書も出ている。



posted by ESDV Words Labo at 06:17 | TrackBack(0) | し:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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