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2013年12月08日

[V.E.フランクルの『夜と霧』:1]

V.E.フランクルの『夜と霧』:1

オーストリアの精神科医でロゴセラピーの創始者でもあるヴィクトール・エミール・フランクル(Viktor Emil Frankl,1905年3月26日〜1997年9月2日)は、1947年に自身のテレージエンシュタット強制収容所の悲惨な収容体験を元にして『夜と霧』という代表著作を出版した。

邦訳書の『夜と霧』のドイツ語の原題は、“trotzdem Ja zum Leben sagen:Ein Psychologe erlebt das Konzentrationslager(それでも人生に然りと言う:ある心理学者の強制収容所体験)”というものであった。

『夜と霧』というタイトルには、アドルフ・ヒトラーが1941年12月7日に発令した『政治犯・レジスタンス勢力・ユダヤ人を秘密裏に抹殺する命令』という意味も込められており、ナチスドイツは抹殺対象を行方不明者(実際には強制収容・処刑)にして家族や友人にもその死亡・所在の情報を一切知らせず『暗黙裡の恐怖・威圧・萎縮』を与えるという冷酷無比な政策を実行した。

この『夜と霧』の秘密命令や強制収容・抹殺(裁判なしの処刑)は、戦後のニュルンベルク国際軍事裁判で国際法や人道主義に違反する『戦争犯罪』として認定され、ナチスの関係者は戦争犯罪人として処罰されたり国際指名手配を受けたりした。

V.E.フランクルの『夜と霧』は、フランクル自身の強制収容所体験をベースにした本だが、フランクルは精神科医としての客観的かつ分析的な目線で『ユダヤ人の囚人たち』を観察して、テレージエンシュタットの収容所体験を生き残った者と死んでしまった者の違いに着目した。同じ強制収容所の過酷な環境に置かれても、自分なりの『意味への意志(人生に対する意味・希望)』を持ち続けている人は、精神力が折れず免疫力も下がらずに悲惨な環境に耐えて生き残ることができたという。

V.E.フランクルは強制収容所に収監される以前から、既に人生の実存的な意味を自覚しようとする『ロゴセラピー』のアイデアと技法を考案していたが、『意味への意志』によって苦痛・侮辱・絶望に満ちた収容所体験を力強く生き延びたユダヤ人同胞の実例を見たことで、ロゴセラピーの実用的な効果の確信を強めることになった。



posted by ESDV Words Labo at 02:01 | TrackBack(0) | ふ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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