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2013年12月20日

[ライ・スケール(lie scale)と社会的な望ましさ]

ライ・スケール(lie scale)と社会的な望ましさ

被験者の性格傾向・人格構造などを調べるための『質問紙法の心理テスト』では、自分自身を社会的・医学的・道徳的に良く見せたい、異常だとは思われたくないという方向の意識的なバイアスがかかりやすくなる。心理テスト(心理測定尺度)の研究分野では、自分自身の性格特性や生活態度、精神状態、人間関係などを実際の自分よりも良く見せたいというバイアス(回答の歪み)を『社会的な望ましさの影響』という概念を用いて表現することが多い。

社会的な望ましさに影響されている状態は、『よそゆきの自分・演技的な格好つけた自分・見せかけの正しさを示している自分』であるから、せっかく心理テスト(特に性格テスト)を実施してもその検査結果を信用することができない。クライアントの性格特性を調べるための心理テストで、『見せかけの演技された自己像・演技的な虚偽や建前の回答』を見破るための質問を『ライ・スケール(lie scale)』と呼んでいる。

ライ・スケールとは直訳すれば『嘘の質問尺度』であるが、このライ・スケールを設定する目的は『社会的な望ましさに影響されていない本当の自分・性格』を明らかにすることであり、『実際よりも良く見られようとしている自分の意識』が反映されやすい質問内容が工夫されている。

例えば、『私は今まで一度も嘘をついたことがない』『私は他人の意見や考え方に反対の意見を持ったことがない』『今まで他人のことを羨ましく感じたり疎ましく思ったことがない』『嫌いな人やイライラするような人がひとりもいない』『困っている人を見捨てたことがない』などは、典型的なライ・スケールである。

すなわち、こういった理想的な人物像を示す質問に“はい”の回答を連発する人は、『社会的・道徳的に望ましい自己イメージ』に影響を受けた回答をしている可能性が高くなり、心理テストの結果をそのまま信用することが難しいと判断される。ライ・スケールは虚偽(嘘)を見破る質問というよりは、『素の自分・本当の考え方・本音の意見』を出しているか否かを見破る質問というのに近く、あまりに理想的で道徳的な善人の人物を演じている人というのは、『本音・本心・現実とは離れた回答』をしやすいのである。



posted by ESDV Words Labo at 11:27 | TrackBack(0) | ら:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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