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2007年04月13日

[心理学的な集団とグループ・エンカウンター(group encounter)]

心理学的な集団とグループ・エンカウンター(group encounter)

心理学でいうグループ(group, 集団)とは、複数の人間から構成される集合体のことであるが、同一集団に所属する個人は相互にコミュニケーションを行って相互作用を及ぼしあっている。つまり、双方向的な人間関係やコミュニケーションが全く存在しないバラバラの個人の無秩序な集まりは、心理学的なグループ(集団)ではない。

社員が利潤を追求する企業や生徒が学習活動を行う学校のように共通の目的(目標)や課題を持ち、集団内に役割規範(役割分担・階層秩序)のある集まりが典型的なグループである。国家や民族、宗教のように『集団への帰属感(一体感・連帯感)』『過去の歴史時間の共有』『共通の世界認識』が問題となるグループもあるが、心理学的な集団は一般的に『全体は部分(個人)の集合以上の独自の機能(特性)』を発揮する。

心理学的な集団(グループ)は、行動・発言・価値観が可変的な個人によって構成されるので、グループ構成員ひとりひとりの変化によって集団全体の性質や機能は絶えず変化している。臨床心理学やカウンセリングでは、それぞれ『感情・記憶・認識』を共有してお互いをより良く理解できるグループ(集団)の特徴を利用して集団精神療法(グループ・カウンセリング)が実施されることがある。

精神疾患の病理水準の高い人や性格的な偏りの大きい人格障害の人が集まって心理的な集団治療を行うのが集団精神療法(グループ・サイコセラピー)であり、精神疾患(人格障害)のない健常なパーソナリティを持った人たちが集まって自分の悩みや問題について話し合うのが集団カウンセリング(グループ・カウンセリング)である。実際には両者を区別せずに、初めてその場で価値ある出会いを遂げることになる『エンカウンター・グループ』として取り扱われることも多い。

エンカウンター・グループ(encounter group)などに代表されるグループ・カウンセリング(集団精神療法)では、過去の経験に基づく記憶や自分の否定的な認知(考え方)について参加者同士で話し合い、心理的な苦悩(解決法の模索と行動選択の葛藤)をお互いに受容して理解するように努める。バディ効果(仲間と共同作業する連帯効果)を持つエンカウンター・グループを通して、最終的には一人では気付けなかった『自己の内面』や『より効果的な解決法』に気付くことを目指していく。現在の感情や意見、過去の体験や記憶、未来の希望や目標などに関する自我(主張)を率直にぶつけ合い、相互的な理解と成長を協力して達成していくことがグループ・カウンセリングの重要な目的である。

教育的効果(臨床的効果)のあるグループ・カウンセリングに参加することで、共感的な悩める個人と個人が出会い、切磋琢磨して相互理解を深めていく。エンカウンター(貴重な出会い)と認知の肯定的変容を通して、心理的問題を抱えた個人は『過去・現在・未来の時間的連続性』を取り戻していき、問題(苦悩)に適切に対処できる自己アイデンティティを再構築していく。

posted by ESDV Words Labo at 23:19 | TrackBack(0) | く:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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