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2014年02月20日

[E.L.ソーンダイク(Edward Lee Thorndike)]

E.L.ソーンダイク(Edward Lee Thorndike)

アメリカの心理学者E.L.ソーンダイク(Edward Lee Thorndike, 1874-1949)は、主に猫を使った動物実験によって『試行錯誤(trial and error)』の学習行動を検証した。試行錯誤は動物や人間の典型的な学習行動の一つであり、『新しい問題状況(課題提示・刺激状況)』に直面した時には、まず本能・習慣・直感に従ったランダムで適当な行動を繰り返して行い、何度も失敗しながら『偶然的な成功体験』を得ることで、新たな適応的行動を学び取ること(次第にこの適応的行動の定着を図ること)ができる。

猫を『問題箱(出入り口の扉を開けるための仕掛けが設けられている箱)』の中にいれる動物実験では、お腹の空いた猫ははじめ箱から脱出するために無意味なランダムな行動を繰り返し行うが、扉を開けるための方法を偶然発見することができれば、次第に短時間で箱から上手く脱出できるようになることを発見した。こういった何度もでたらめで適当な行動(無意味にも見える失敗)を繰り返しながら、偶然に『正しい適応行動・効果的な行動』に辿り着くことを試行錯誤学習と呼んでいる。

E.L.ソーンダイクが猫の動物実験による試行錯誤学習を発見する以前には、人間や動物の学習は、頭の中で欲求・意図・目的・計画が初めに組み立てられてから、その後で実際の行動に移されていくという『観念連合』が前提にされていた。しかし実際の人間や動物の行動を見ていると、頭の中で目的を設定して計画するような『観念連合』よりも先に、本能や衝動、直感に基づいてまず適当にやってみるという『試行錯誤』が行われることが多いことが分かった。

特に、本能に従った行動が見られやすい動物においては、観念連合の学習よりも試行錯誤の学習のほうが優位になりやすいが、情報化社会が進展した現代では頭の中だけで物事を計画したり情報・知識を操作したりする『観念連合』のほうが優位になりやすい。現代社会では、人によっては『観念(思考・想像)』の水準だけで満足してしまい、観念を実際の行動に移していくことを億劫(面倒)に思ってしまうという『非活動性(非社会性・自己完結性)の上昇』が新たな問題になっている。

E.L.ソーンダイクは後年になると、試行錯誤学習のことを『選択と結合の学習』いう名前に呼び変えている。この選択と結合の学習というのは、複数の選択可能な行動の中から一つの行動をランダム(無作為・偶然的)に選択していき、その中で有効性のある行動が結合していくことで『適応的な行動』を学ぶことができ、その行動が次第に定着していくというものである。

ソーンダイクの試行錯誤は現在では『オペラント条件づけ(道具的条件づけ)』の一種に分類されているが、その後のB.F.スキナーやC.L.ハルらの『行動主義心理学(行動科学)』の理論的発展にも大きな貢献をすることになった。



posted by ESDV Words Labo at 17:19 | TrackBack(0) | そ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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